2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18310067
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川添 良幸 Tohoku University, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BELOSLUDOV R.V. 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10396517)
佐原 亮二 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (30323075)
水関 博志 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (00271966)
高橋 まさえ 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (80183854)
西松 毅 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70323095)
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Keywords | 金属機構造体 / 動的安定性 / 吸着工ネルギー / 水素ハイドレート / ヘルプガス / プロパン / 第一原理計算 / 格子動力学 |
Research Abstract |
ハイドレートCS-II構造が220MPa, 234Kで約4.96wt%の水素を吸蔵する実験結果を端に発して、水素貯蔵材料として水素ハイドレートが注目を集めている。ハイドレートを水素貯蔵材料として使うためには、広範囲の圧力、温度領域でこれらの相の安定性と水素貯蔵量の情報が重要である。我々はvander WaalsとPlatteeuwの固溶体理論に複数ゲストの挿入、ホスト格子の緩和、ケージ内での水素の量子力学的振る舞いを取り入れた計算手法を開発した。ハイドレート構造はCS-I, CS-II, sHの3種類、相を安定化させるヘルプガスとしてはメタン分子を計算対象にした。この包接化合物の形成には、水分子とゲスト分子間の相互作用とエントロピー効果の競合する2つの要因が重要であることが明らかになった。メタン-水素を含むハイドレートは水素を5wt%貯蔵する能力を有することが示された。本研究で開発した計算手法は、非調和型の格子力学と第一原理計算により水素ハイドレートの自由エネルギー、状態方程式、化学ポテンシャルを求めることができる。この計算手法は、シリコンクラスレート、ゼオライト、半導体元素から構成される包接化合物などにも適用できる。さらに、常圧・高温でハイドレートの安定性を保つために必要なガスハイドレートの自己保存効果の研究も行った。水素分子が氷分子の壁を通る拡散を防ぐために、通常の六方晶氷ではなく、アモルファス氷を使うことを提案した。本研究では、高密度、低密度の2種類のアモルファス氷の動的性質の計算を行った。これらの氷の水分子は水素結合で繋がっているが、そのネットワークは熱的性質が全く異なっていた。高密度氷では10nmより厚い水の2次元の層で低い振動数モードが見られ、低密度氷では多くの空間を持つ多孔質構造に似たモードであった。
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Research Products
(12 results)