2006 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンナノフォトニクスとプラズモニクスの融合による新奇フォトニクス材料の創製
Project/Area Number |
18310070
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤井 稔 神戸大学, 工学部, 助教授 (00273798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 真至 神戸大学, 工学部, 教授 (50107348)
森脇 和幸 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (50322194)
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Keywords | シリコン / ナノ結晶 / 表面プラズモン |
Research Abstract |
本研究の目的は、金属ナノ構造を用いて「主にSiナノ結晶を中心的な構成要素とするナノフォトニクスマテリアル」の光学特性の大幅な向上を実現することである。特に、金属ナノ構造により、Siナノ結晶の光増感特性を大幅に向上させることを最大の目的とする。 本年度は、Siナノ結晶の発光特性(特に発光再結合レート)が金属薄膜によりどのようにモディファイされるかを明らかにすることを第一の目的に研究を行った。Siナノ結晶の発光寿命とスペーサー膜厚の関係を測定し、発光寿命がスペーサー膜厚に対して振動的に変化することを明らかにした。さらに、得られた結果と金属表面での電場分布の計算結果を比較することにより、Siナノ結晶の発光再結合レートと非発光再結合レートを独立して求めることに成功した。また、この研究を通じて、発光層と金属構造の距離(スペーサー膜厚)を連続的(0〜600nm程度)に変化させた試料の作製技術、及びスペーサー膜厚と検出波長をスキャンしながら発光のライフタイムを測定し、それらをパラメーターとして発光寿命を自動マッピングするシステムを確立した。 次に、Siナノ結晶とErを同時ドープしたSiO_2薄膜について、金属薄膜の距離とエネルギー移動レートの関係を調べた。エネルギードナーであるSiナノ結晶の近傍にErイオンが存在すると、エネルギー移動のためSiナノ結晶の発光寿命が短くなる。短くなる度合いからエネルギー移動レートを見積もることができる。実験の結果、Siナノ結晶とErをドープしたSiO_2薄膜において、エネルギー移動レートが金属ナノ構造により大きくモディファイされることが明らかになった。また、実験データを定量的に解析することにより、エネルギー移動レートとフォトンの状態密度の関係を明らかにすることに成功した。
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