2008 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンナノフォトニクスとプラズモニクスの融合による新奇フォトニクス材料の創製
Project/Area Number |
18310070
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤井 稔 Kobe University, 工学研究科, 准教授 (00273798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 真至 神戸大学, 工学研究科, 教授 (50107348)
森脇 和幸 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (50322194)
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Keywords | シリコン / ナノ結晶 / プラズモニクス |
Research Abstract |
本研究の目的は、金属ナノ構造を用いて「主にシリコンナノ結晶を中心的な構成要素とするナノフォトニクスマテリアル」の光学特性の大幅な向上を実現することである。特に、金属ナノ構造の表面プラズモン励起により、シリコンナノ結晶の発光効率と発光レートを大幅に向上させること、またシリコンナノ結晶を中心的な構成要素とするナノフォトニクスマテリアルにおける、エネルギー移動効率を増大し発光増強を実現することを目的とする。本年度は、まず、表面にラフネスを持つ金属薄膜によりSiナノ結晶の発光増強を実現(最大化)することを目的に研究を行った。金属表面のラスネスを系統的に変化させることにより、最大で5.5倍の発光増強を実現した。発光スペクトル、発光励起スペクトル、光吸収スペクトル、及び発光減衰特性の測定より発光増強のメカニズムについて議論を行い、金属ナノ構造の表面プラズモン励起による入射電場の増強効果と発光再結合レートの増加が共に発光増強に寄与していることを明らかにした。次に、希土類イオンをドーピングしたガラス薄膜のアップコンバージョン発光に対する金属ナノ構造の影響について研究を行った。その結果、アップコンバージョン発光における表面プラズモン励起の影響は、ダウンコンバージョン発光の場合と比べて非常に大きいことが明らかになった。 最後に、昨年度に引き続きSiナノ結晶から希土類イオンへのエネルギー移動における金属表面の影響について研究を行った。その結果、金属表面の存在によりエネルギー移動レート大幅に増加することを明らかにした。また、実験データの解析よりエネルギー移動効率の波長依存性を求め、共鳴エネルギー移動の存在を実証した。
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