2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化チタンの光触媒効果による有機分子の分解過程の原子レベルでの解析
Project/Area Number |
18310072
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷口 昌宏 Kanazawa Institute of Technology, バイオ・化学部, 教授 (30250418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 治 金沢工業大学, バイオ・化学部, 教授 (10108235)
山岸 晧彦 お茶の水女子大学, 理学部, 客員教授 (70001865)
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Keywords | 走査型アトムプローブ / 光触媒 / 酸化チタン / アミノ酸 / 層状酸化物 / クラスターイオン / 炭素材料 / カーボンナノチューブ |
Research Abstract |
本研究は,研究代表者らが開発を進めている走査型アトムプローブ(Scanning Atom Probe, SAP)の特性を生かして、有機分子が酸化チタンの触媒作用によりどのように解離するかを調べる事を目的としている。 酸化チタンとして通常よく調べられているルチル形、アナターゼ形などの試料はいかに微粒子のものであっても、導電性の不十分さ、粒子の形状などの問題のために、そのままではアトムプローブ分析には不適当である。そこで本研究では層状構造をもっレピドクロサイト型酸化チタンを単層剥離したナノ粒子を適当な担体に担持させて測定することとした。平成20年度には比較対象として金属チタンのティップを作製してアトムプローブ分析をナノシート試料と同様に行ったところ、金属チタンの表面が非常に反応性に富むために、通常の超高真空条件下でも表面に酸化チタンの薄膜層が生成し、この状態で酸化物ナノシートと同様な表面反応性が現れることが確認された。現在、位置感知型イオン検出器を用いた3次元アトムプローブを用いて触媒反応により分解し生成するクラスターイオン間の相互の関連性を分析中であり、この結果は平成21年度に報告できる見込みである。酸化チタンの光励起触媒効果による有機分子の分解過程を調べるための試料(反応物)として、平成20年度には金属ティップないしはカーボンナノチューブを担体としたアミノ酸のアトムプローブ分析を開始し、論文として報告した。研究発表に関しては、低分子系の分析においてイナートな担体として用いられる、カーボンナノチューブ(CNT)、グラファイトナノファイバー(GNF)についての成果をまとめたものも論文として発表した。
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