2009 Fiscal Year Annual Research Report
原子ダイナミックス直接観察と対応させた単一ナノ結晶の個別分光
Project/Area Number |
18310075
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木塚 徳志 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (10234303)
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Keywords | 電子顕微鏡 / 近接場光学顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / その場観察 / ナノ粒子 / 分光 / 原子ダイナミックス |
Research Abstract |
酸化亜鉛やカーボンナノカプセル等半導体のナノメートル粒子を、原子間力顕微鏡用のカンチレバー探針の先に堆積させ、本研究で開発した個別分光が可能な透過型電子顕微鏡を用いて観察した。探針近傍に電子線や励起レーザー光を照射し、ナノ構造物質を発光させた。個別分光するときの粒子の操作と固定には、ナノサイズ先端の探針が必要であり、こうした探針作製について詳細な研究を行った。特に、原子数個サイズの先端を持つ最も小さい先端を有する探針は、機械的破壊法によって作製できることが明らかになった。本研究では、この結果、微細探針ピエゾ素子駆動の精度が極めて良くなり、注目する粒子一つだけを観察と採光中心に設置できるようになり、ナノメートルサイズの粒子個別の分光が初めて可能になった。さらに、この照射の際に、力学的に粒子を変形させ、歪みや外形変化の影響を調べ、発光と電気伝導の関係を調べることもできるようになった。また、粒子観察の分解能は格子像レベルに改善され、粒子が発光する時の原子ダイナミックスを発光と同時に観察することもできるようになった。以上、原子直視観察下のナノ構造物質の個別分光が本研究で開発された手法を用いて実現された。本手法は、ナノメートル領域の分光を可能にするものであり、ナノ物質やナノ構造薄膜の光学的性質を原子レベルの構造と対応させる、これまでにない分光学的実験研究の基礎となるものである。
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Research Products
(4 results)