2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18310078
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
秋田 成司 Osaka Prefecture University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60202529)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 喜萬 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20128771)
|
Keywords | カーボンナノコイル / 触媒微粒子 / プラズマアークガン / 剪断応力 / ナノマニピュレーション / 有限要素法 / 機械的内部損失 |
Research Abstract |
多層カーボンナノコイル(CNC)の成長制御には、触媒微粒子のサイズ、組成と構造を精密に制御することが必要である。本研究ではCNCを作製するための触媒、作製プロセス、さらに成長メカニズムを究明し、高効率CNCの創製とその基礎物性を明らかにするために以下のような研究を実施した。 1.Fe-In-Sn三元系触媒の作製と多層カーボンナノコイルの合成 1)触媒微粒子の作製と観測 最適な触媒の混合状態を検討するために、アークプラズマガンによりFe、In、Snの各元素をlayer-by-layerもしくは混合した状態で基板に堆積し、形成された触媒粒子の状態と構造をAFM、TEMで調べた。何れの場合も昇温過程で各元素は混合し触媒粒子を形成した。 2)多層カーボンナノコイルの高効率作製 成長条件を変化しただけでは、成長効率は大きく変化しなかったが、基板の種類を変化したところ成長状態に大きな変化が見られた。これは、触媒微粒子形成時における触媒と基板との相互作用が重要な指針となることを示している。 2.多層カーボンナノコイルの導電率とヤング率およびバネ常数の測定 1)導電率とヤング率およびバネ常数の測定 SEM内その場測定技術により、CNCの導電性および機械的な剛性を実測した。導電率は品質の悪い気相合成CNTと同程度であった。機械的な剛性の測定には、共振法を用いた。解析ために有限要素法と連続体理論からモデルを構築した。未処理のCNCで100GPa程度のヤング率となった。共振時のQ値は100〜200と結晶性の悪いCNTと同程度の値となり、内部損失が大きいことがわかった。 2)アニールによる内部構造変化 成長後のCNCに対して1000℃程度のアニールを行うとCNC形状を維持したまま機械的剛性およびQ値が著しく向上することが分かった。従って、as-preparedのCNCの剛性や損失係数が多きいのは、CNCの螺旋形状に原因があるのでなく、内部の微細な欠陥や吸着層が主な原因であると考えられる。
|
Research Products
(11 results)