2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18310086
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Research Institution | NTT Basic Research Laboratories |
Principal Investigator |
小林 慶裕 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 機能物質科学研究部, 主幹研究員 (30393739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 芳和 東京理科大学, 理学部, 教授 (30385512)
吉村 英恭 明治大学, 理工学部, 教授 (70281441)
前田 文彦 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 機能物質科学研究部, 主幹研究員 (70393741)
鈴木 哲 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 機能物質科学研究部, 主任研究員 (00393744)
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Keywords | ナノチューブ・フラーレン / 表面・界面物性 / 結晶成長 / 構造・機能材料 |
Research Abstract |
結晶基板上カーボンナノチューブ(CNT)成長の研究では、フェリチン類をサイズ制御された触媒として用いて、サファイア基板上での配向成長現象を確認し、配向成長機構の追究を進めた。基板の特定位置のみに触媒を配置した場合の成長様式を解析することにより、配向成長は先端成長機構で進行する可能性を示した。このような配向成長での挙動は、走査電子顕微鏡を用いた成長過程の実空間その場観察でも確認した。今後、より直接的な結果に基づき成長機構を確定すると共に、基板一触媒粒子の相互作用について検証する。カイラリティの評価法に関連して、ラマン分光法によるCNTのCVD成長過程その場測定を実施した。CNTのカイラリティに敏感なRBM信号の検出に成功し、成長の進行と共にカイラリティ分布が拡大する現象を初めて見出した。本評価技術の結晶基板上成長への展開を進めている。 清浄真空雰囲気でのCNT成長の検討では、ガスソースMBE装置を用いて、触媒の蒸着からCNT成長までを真空一貫プロセスで行うことに成功した。Si酸化膜基板から結晶性基板への展開を図る。さらに、低圧力(1〜10^<-2>Torr)条件下でのナノチューブ成長実験を推し進め、CNTが成長した表面でのその場X線光電子分光測定に成功した。ナノ微粒子金属触媒の化学状態が成長前後で変化がなく金属状態を保つ現象やガス吸着による電子構造変化を明瞭に捉えた。 成長触媒制御関連では、合成直後では3-5nm程度の径のフェリチン微粒子から蒸発法を用いてより小さな径のナノ微粒子形成方法を確立し、CNT径と触媒サイズの相関解析を進めた。1nm径以下の触媒微粒子を用いることによる径制御実現の可能性を示した。これまでCNT成長触媒としての活性がないとされてきた金・銀・銅などの貴金属類ナノ微粒子に活性化処理を施すことにより単層CNTの成長触媒として有効であることを初めて見出した。
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Research Products
(9 results)