2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチャンネルを用いた多相エマルション生成デバイスの開発に関する研究
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18310091
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥居 徹 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60172227)
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Keywords | 多相エマルション / マイクロチャンネル / 単分散 / OTS / 濡れ性 |
Research Abstract |
本研究は,マイクロチャンネルを用いて多相エマルションを生成する研究である。マイクロチャンネルで,0/W(Oil inWater)液滴を生成するには,流路表面の濡れ性として親水性, W/0(Water in Oil)液滴を生成するためには疎水性である必要がある。昨年度までに,ガラスマイクロチャンネルに,n-オクタデシルトリクロロシラン(OTS)の塗布ならびに紫外線照射の組み合わせにより,単一チップ上での W/0/W(Water-in-Oil-in-Water)型多相エマルション生成に成功した。 当該年度は,流路の集積化を行い,多相エマルションの大量生成が可能な系の開発を試みた。まず,単一のガラスチップ上に16のマイクロチャンネルが集積したものを設計した。すなわち,液の導入口を同心円上に配し,流路を放射状,液滴の排出口を中心とした点対称の構造にすることで,単一チップ内にて16の多相エマルションの同時生成を実現しようとするものである。次に,ガラスチップに液を導入するためのホルダの設計を行った。2色微粒子内包の多相エマルションを生成するためにホルダには4種の液の導入用ならびに1つの排出用の合計5つの送液口を用意する必要がある。そこで,チップを押さえるブタと合わせて6段構造のホルダを設計した。続いてガラスチップ内のマイクロチャンネルの表面改質を昨年度成功した方法を用いて行ったところ,複雑な流路にもかかわらず1度の工程でガラスチップ全体をしかも局部的に疎水性および親水性と濡れ性の異なる表面改質を行うことが出来た。 表面改質を行ったマイクロチャンネルを用い,実験を行った結果,大多数の流路において多相エマルションを生成することが出来た。これは,わずかの濡れ性の違いが,流量に影響を及ぼすためであり,今後はさらに精度を上げることで,全ての流路において名相エマルションを生成可能な状況を目指す。
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Research Products
(3 results)