2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18310094
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宮崎 真佐也 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (70344231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 英明 九州大学, 総合理工学研究院, 客員教授 (60238871)
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Keywords | マイクロリアクター / 生体高分子 / 層流 / 微小流体 / 合成 / 分子挙動 |
Research Abstract |
本年度はまず、直鎖状の高分子の合成技術の確立を行った。コラーゲンやエラスチンポリマーの合成を題材として、ジフェニルリン酸アジドによる重合を種々のマイクロミキサーを用いて行うことにより、混合効率が反応に影響することがわかった。この混合は粘度と流量に非常に影響を受けやすいことを踏まえ、最終的にマイクロリアクターの最適化を行い、分子量分布が1.07、平均分子量が18000程度のポリマー合成が可能となった。この結果は様々なポリペプチドの合成に応用が期待されるものである。次にポリリジンデンドリマーの合成を試みたが、主鎖と側鎖アミノ基の反応性が大きく異なるため、ポリリジンデンドリマーの合成を行うことが困難であると判明した。また、櫛形ポリマーの合成では、せん断の違いによる反応性の差異が認められたため、反応挙動の一般的な理解を日的としてマイクロ空間内での生体高分子の挙動をタンパク質とDNAについて各々解析した。様々な形状を持つマイクロ流路を用いたタンパク質の挙動解析では、流路構造がその折りたたみに影響することがわかった。また、DNAの分子会合の熱力学的解析により、DNAの分子会合がエンタルピー・エントロピー補償に従うことがわかった。これらの結果から、生体高分子を用いた櫛形ポリマー合成では、主鎖となる高分子と側鎖高分子各々の分子挙動を制御する必要があることが予想された。この結果を基に、マイクロリアクターを設計し、ポリリジンのPEG化をモデルとして反応を行ったところ、効率よくPEG化を行う事が可能であった。 以上、本研究によりマイクロリアクターを用いる生体高分子合成に関する基礎的な知見と、いくっかの高効率マイクロリアクターの開発に成功した。
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