2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18310095
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高田 寛治 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30102106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 由佳子 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (30278444)
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Keywords | マイクロニードル / 安定性 / 含量 / インスリン / 血糖降下作用 / 生理学的有効性 / 安全性 / 徐放性マイクロニードル |
Research Abstract |
高分子薬の経皮的吸収DDSとしてのマイクロニードルの検証実験をインスリンをモデル薬物として行った。 先ず経皮的吸収製剤であるための安定性および含量など製剤学的要因について検証した。ペンタイプのインスリン・マイクロニードルを調製し、インスリンを抽出後、gradient HPLC法にてインスリン含量を測定した。インスリン含量は100.4±0.8%と製剤学的規格をクリアーする値であった。-80,20および40℃にて1および3ヶ月間にわたり保存した後、インスリン含量を測定したところ、98%以上の含有率であった。In vitroにおいて溶出試験を行ったところ開始後30分以内にほぼ100%のインスリンの溶出がみとめられた。大型実験動物であるビーグル犬3頭を用いてインスリン・マイクロニードルを皮膚に投与し、その後、頸動脈から経時的に血液を採取し、血糖値降下率を測定した。血糖値はインスリン投与量(1および2IU)に比例して降下した。投与1.5時間後に最低値、-60%,を示した。比較の目的でインスリン水溶液を1および2IUにて同じ犬に皮下注射にて投与したところ、マイクロニードルと同様の血糖値降下曲線を示した。皮下注射時に得られた血糖降下曲線と比較して相対的な生理学的利用率を算出したところ、インスリン・マイクロニードルは90%という値を示した。同実験において採取した血漿試料を用いて、インスリン濃度をELISA法にて測定した。投与1時間後に最高血中濃度,9.8±2.3μIU/ml,を示した。インスリン・マイクロニードルの安全性に関して、マイクロニードル投与後における犬の皮膚の組織化学的検討を行った。色素マーカーとしてevans blue(EB)を添加したマイクロニードルを投与後、3日間にわたり皮膚の観察を行ったが、アレルギー反応などの有害事象はみとめられなかった。また、EBは投与後3時間以内に表皮内へ拡散することが明らかとなった。マイクロニードルへのインスリンの徐放性の付与について検討を行うために、ナノサイズの細孔を有するシリカ微粒子に一旦、インスリンを吸着させ、その後、マイクロニードル化を行った。マウスを用いてin vivoにおいて皮膚内へ投与した後、血糖値降下率を測定した。Positive controlとして用いた長時間作用方インスリン注射剤Penfilと同様、投与後6時間にわたり血糖値の降下がみとめられた。
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Research Products
(4 results)