2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノエレクトロメカニカル構造を内蔵する高機能シリコン単電子複合素子の創製
Project/Area Number |
18310097
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
水田 博 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (90372458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 俊理 東京工業大学, 量子ナノエレクトロニクス研究センター, 教授 (50126314)
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Keywords | NEMS / 可動ゲート構造 / 微細MOSFET / 単電子トランジスタ / シリコンナノブリッジ / ハイブリッドシミュレーション / 3次元有限要素解析 / 等価回路モデル |
Research Abstract |
3次元構造解析と静電場解析を組み合わせたエレクトロ・メカニカルシミュレーション技術を用いて、NEMS基本構造の容量パラメータの構造&電圧依存性を抽出し、それを解析的に記述する新規等価回路モデルを作成した。そのモデルをSPICEベースSET-MOSハイブリッド回路シミュレータに組み込む手法により、SET-MOS-NEMS統合ハイブリッドシミュレーション技術を構築した。 開発されたシミュレーション技術を駆使して、サスペンデッドゲート(SG)構造を有するSET-NEMSおよびMOS-NEMS素子の構造設計とその動作解明を行った。ゲート構造としては、両持ち梁構造を基本として、金属梁の機械的変位の構造パラメータ(梁の長さ・厚み・高さ等)と印加電圧依存性を解析し、ゲート容量-ゲート電圧・アクチュエーション電圧の非線型依存性がSETとMOSFETの電流-電圧特性に与える効果を解明した。その結果、SG構造を用いたNEMSゲートは2値の容量性スイッチとして作用し、これをSET-NEMS素子に適用した場合、トンネル電流のクーロン振動特性の周期を長・短の2状態間でスイッチングできることを見出した。このスイッチング特性を利用すれば、従来の単電子ロジック素子の大きな問題であるオフセット電荷に依存しない回路動作が可能になることを示した。この設計・解析データを基に、シリコン基板上にサスペンデッドメタルゲート構造を作製する基本プロセスを検討し、そのエレクトロメカニカルな基本特性の評価を行った。 また、SETのチャネル自体を機械的に変位させるNEMSETタイプの素子においては、高濃度ドープした極薄SOIを用いて、サスペンデッドシリコン細線をチャネルとするナノブリッジトランジスタ構造の試作を行い、ブリッジ長300nmのNEMSETにおいて、明瞭なクーロン振動を観測することに成功した。
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[Journal Article] ナノエレクトロメカニカル構造を有するシリコンナノ機能デバイス2006
Author(s)
水田 博, 永見 佑, B.Pruvost, 小木 純, 百々 信幸, 松田 真之助, 柴村 純平, 土屋 良重, 斎藤 慎一, 新井 唯, 木村 嘉伸, 嶋田 壽一, 小田 俊理
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Journal Title
応用物理学会シリコンテクノロジー分科会誌 No,85
Pages: 51-56
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