2006 Fiscal Year Annual Research Report
革新的新製品開発の前段階での外部資源を利用した製品開発プロセス構築に関する研究
Project/Area Number |
18310100
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長平 彰夫 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (10323122)
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Keywords | オープンイノベーション / アウトソーシング / リードユーザー / analogy / ライセンス・アライアンス / M&A / 共分散構造解析 / 産学連携 |
Research Abstract |
平成18年9月〜平成19年1月にかけてわが国の主要産業を代表する18社にインタヴュー調査を行い、有効回答15社について革新的製品開発の前段階におけるリードユーザー、analogy等外部資源活用状況について分析するとともに、新製品の上市後の成功との間の因果関係について共分散構造解析(AMOS)により解析を行った。その主要な結論は次のとおりである。 1.外部資源として利用する形態については、情報又はノウハウとする企業は、外部資源の導入先として、大学、公的研究機関、顧客が多く、製品の中に内在している形の場合には、サプライヤー、企業、顧客が多かった。 2.自社開発化外部資源導入かを判断する基準としては、業種別にみると、化学系はスピード、電気機械は、商品の競争力の源泉となる差別化技術は自社開発、その他の技術は外部技術導入とする回答が多く、他の業種については電気機械と同じく、自社のコア技術との関連性を挙げる意見が多かった。 3.外部資源の形態としては、1〜7のリッカートスケールでの加重平均を出してみると、産学連携が5.5でもっとも強く、ついで、ライセンス・アライアンスとなり、analogyについては3.2であった。さらに、外部資源の形態別に導入後に利益に結びついたかどうかについては、ライセンス・アライアンス、リードユーザーが4以上であり、産学連携、analogy、M&Aは4を下回っていた。 4.研究開発のプロセス毎にどのような外部資源を導入するかについては、研究開発の初期段階では、大学、公的研究機関の割合が比較的高く、中間段階になると、サプライヤーや一般企業の割合が多くなる。この場合の企業は、委託製造会社や技術提携企業である。最終段階になると、外部資源の導入はきわめて不活発になり、性格的には「アウトソーシング」に近い形で、サプライヤーや既存顧客といったマーケットインを念頭に置いた外部資源導入であった。 5.外部資源導入と新製品の上市後の成功との間の因果関係について共分散構造解析(AMOS)により解析を行った結果、化成品・素材・製薬のアイデアの創出の段階において、外部資源のうち産学連携が顕著に効果があることが判明した。
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