2008 Fiscal Year Annual Research Report
革新的新製品開発の前段階での外部資源を利用した製品開発プロセス構築に関する研究
Project/Area Number |
18310100
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長平 彰夫 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (10323122)
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Keywords | 外部資源 / 製品開発の前段階 / フロントエンド / 吸収・活用能力 / リードユーザー / 産学連携 / ANALOGY / 企業風土 |
Research Abstract |
わが国の製造業(公開、未公開、ベンチャー企業)で3期連続での売上及び利益増企業における革新的製品開発の前段階での1)リードユーザー、2)産学連携、3)ANALOGY、4)ベンチャー企業等とのM&A、5)アライアンス、6)技術移転(ライセンスによる技術導入)等外部資源活用と、新製品の上市後の成功(売上、利益、市場シェアー、新技術創出、新市場創出等)との間の因果関係について、大規模アンケート調査結果(2,000社送付。回答数450社)を統計解析ソフトウェア(SPSS)を用いて分析した。その結果、産学連携以外のすべての外部資源と売上、市場シェアー拡大、利益及び新市場創出との間の因果関係が認められた。また、技術移転以外の外部資源導入と新技術創出との間の因果関係も認められた。三方、リードユーザー、産学連携、アライアンスは外部からの市場及び技術情報の獲得に有効であることが明らかになった。以上要するに、好業績企業は各種の外部資源をその目的に応じて多様な活用を行っていることが明らかになった。また、新製品開発プロセスのフロントエンド(開発の前段階)で外部資源を導入した場合の新製品の成功確率が高まることも判明した。しかし、フロントエンドで外部資源を導入したにも関わらず新製品が失敗したプロジェクトのインタヴュー調査を実施した結果、外部資源導入企業の新製品開発チームの吸収・活用能力の欠如や導入企業の企業風土によるとみられる制約により外部資源が活用されなかった事例が多く見受けられた。また、受入れ企業側の企業風土によるとみられる制約が存在している理由としては、(1)自社の人材が育成できない、(2)自社での新製品開発マネジメントノウハウが蓄積できない、をインタヴュー調査の際に回答した企業が多かった。
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