2006 Fiscal Year Annual Research Report
医療サプライチェーンとしての大学附属病院の運営評価方法:業務量調査を基盤として
Project/Area Number |
18310105
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大野 ゆう子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60183026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 守人 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00127309)
武田 裕 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20127252)
手島 昭樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40136049)
松村 泰志 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90252642)
沼崎 穂高 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70403011)
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Keywords | 経営工学 / 医療サプライチェーン / タイムスタディ / 統計数学 / 電子カルテシステム |
Research Abstract |
今年度は新研修医制度の影響による産婦人科病棟の閉鎖や看護師新卒採用の大量抱え込み問題など、保健医療の歪が明らかになり、医療サプライチェーンの視点による保健医療サービス需給検討が重要であることが社会的にも証明された一年であった。 本年度は、病院・病棟における医療提供側の稼動恒常性に関する研究を中心に行い、加えて病院、病棟運営の方法について職員の聞き取り調査を設置主体および規模の異なる病院について実施した。 疲労度測定については日勤、準夜勤、深夜勤の勤務帯ごとにアクチグラフを上腕につけて運動量測定を行いその結果をもとにコンピュータにより消費エネルギー算出、行動特性を検討した。同時に食事内容、睡眠状況をアンケートにより調査した。さらに一部の被験者には睡眠状況をビデオ記録させていただき体動観察により疲労度と眠りの関係を検討した。また、職場環境として粉塵量と電磁界および臭気の測定を行った。これらの結果について各病院、病棟にて報告し解析妥当性の検討を行った。アクチグラフによる測定の結果、日勤>準夜勤>深夜勤の順に運動量は多かった。また、姿勢についてもその順で斜めの体位を取っており身体的疲労度が強いことが示唆された。夜勤の疲労については看護師数が少ないことによる精神的なストレスとサーカディアンリズムの関係が大きいことが考えられた。消費エネルギーについては既存式では難しいことがわかったため新たに被験者とほぼ同じ仕事量、年齢の女性において算出式を考案することとした。睡眠状況についてはビデオ記録解析方法の精度向上の検討を行うこととした。粉塵量は一般に病院の外来棟は多く、エレベータによる移動が主となる階ではほぼ同じであることがわかった。電磁界については、人体に影響があるほど大きな機器、箇所はなかった。患者側の医療需要との関係、医療提供側のスタッフ・技術力構成と疲労度の関係を今後は検討の必要がある。
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