2008 Fiscal Year Annual Research Report
医療サプライチェーンとしての大学附属病院の運営評価方法:業務量調査を基盤として
Project/Area Number |
18310105
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大野 ゆう子 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (60183026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 守人 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00127309)
武田 裕 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20127252)
手島 昭樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40136049)
松村 泰志 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90252642)
石井 豊恵 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00452433)
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Keywords | 大学附属病院 / 運営評価方法 / タイムスタディ / 業務量分析 / 看護新人研修 / 看護必要度 / 業務スケジューリング / 医療圏分析 |
Research Abstract |
本研究では、大学附属病院の機能を「医療」を定常的に提供するサプライチェーンとして評価することにより合理的な病院運営について検討することを目的とする。 本年度は、最終年度として(1)地域から期待される大学附属病院の将来像、(2)モニタリングとしてのタイムスタディ方法論および新たな業務分析方法の構築、について研究を行った。(1)O大学附属病院を例として、地域における医療提供力という観点から外来患者の性年齢および受診科別年齢構造の変化・将来予測を行った。また患者側からみた地域医療と大学附属病院の位置付けを検討するために選定療養費値上げ前後における外来初診患者特性の変動分析などを行った。その結果、外来患者の高齢化が一般社会よりも早く進んでいること、今後も患者数、特に高齢患者の増加は予想されるが病院外来規模の上限に近づきつつあることが示唆された。また選定療養費の値上げ以降、選定療養費算定患者数は減少しているが総初診患者数に影響はみられなかったこと、女性は男性より算定患者の割合が高いこと、診療科間で算定患者割合には違いがあること、医療圏は変化していないことなどが見出された。(2)業務改善の変化を随時検討できるモニタリングシステム構築を目指し、ビデオ計測によるモニタリングシステムの実験的検討を行った。その結果、動画像の差分処理により移動量を算出、時系列変化を検討することで繁忙・閑散期の時間と仕事量の概算が可能なシステムを構築した。また、パッシブICタグを用いた業務移動把握について安全性と検出能力の点から実用可能な仕様について知見を得た。さらに事務系も含む大学附属病院業務について、数日から数ヶ月単位で実施する業務や不定期に発生・処理する業務についても実態把握が可能な業務分析手法をタイムプロセススタディとして新たに開発し、多科情報を集約する疾病登録業務などに適用し有効性を確かめた。
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