2006 Fiscal Year Annual Research Report
統合金融リスク管理技術の研究:市場リスクと信用リスクの統合分析
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18310109
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
今野 浩 中央大学, 理工学部, 教授 (10015969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤沢 克樹 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (40303854)
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Keywords | ポートフォリオ理論 / 最大予測可能性ポートフォリオ / 0-1整数計画問題 / 変数選択 / マルチ・インデックス・トラッキング / 半正定値ロジット・モデル / 倒産判別分析 / 信用リスク |
Research Abstract |
1.市場リスクに関する研究では (1)Lo-MacKinlayによる最大予測可能性ポートフォリオ構築問題の解法を考案すると共に、このモデルをもとに作ったポートフォリオが、インデックス平均・分散モデルを一貫して上廻るパフォーマンスを実現することを実証した。またLo-MacKinlayモデルで採用された分散の代わりに、絶対偏差を用いて問題を0-1整数計画問題として再定式化した結果、従来より遥かに大きな問題が解けること、またLo-MacKinlayのモデルより良好なパフォーマンスを示すことを実証した。 (2)実務上重要な役割を果たすと期待されているにも拘わらず、効率的解法を組み立てるのが難しいための放置されてきた「マルチ・インデックス・トラッキング・モデル」の解法を提案し、これを用いて複数のインデックスを所定の精度でトラックできることを示した。 2.信用リスク計量問題に関する研究では (1)超大型の半正定値ロジット・モデルの解法として2つの方法を提案し、その効率性を確認した。1つは変数の一部を2次関数ではなく1次関数として記述する方法、もう1つはクラスター分析を用いてモデルに取入れるデータの数を削減する方法である。これらの方法によって、判別精度を劣化させることなく、計算量を5分の1から10分の1の程度まで削減できることが示された。 (2)線形の倒産強度関数を用いる判別分析において、モデルに導入すべき最適な財務指標の組合せを求める問題を効率的に解く方法を提案し、その有効性を確認した。 この方法は、従来の線形回帰分析におけるモデルの当てはまりを表す指標として絶対偏差を用いて、0-1整数線形計画問題として定式化するもので、100個以上の変数から最も当てはまりの良い20個程度の変数を実用的な時間の範囲で選び出すことが出来ることが示された。
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Research Products
(6 results)