2006 Fiscal Year Annual Research Report
大規模広域災害を想定した新しい防災教育技法の開発に関する研究
Project/Area Number |
18310114
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢守 克也 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80231679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 肇子 慶應義塾大学, 商学部, 助教授 (70214830)
渥美 公秀 大阪大学, 人間科学研究科, 助教授 (80260644)
越村 俊一 東北大学, 工学研究科, 助教授 (50360847)
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Keywords | 防災教育 / ゲーミング / 東海・東南海・南海地震 / 津波 / 参加型教育 / 減災 / 避難 |
Research Abstract |
第1に、防災・減災ゲーム「クロスロード」を用いた地域防災教育の実践を全国的に展開し、あわせて、その理論的基盤を人間科学の観点から明らかにした。具体的には、まず、静岡県、高知県など、東海地震、東南海・南海地震など具体的なハザードを念頭においた「クロスロード(東海地震版)」、「同(高知県版)」や、喫緊の防災課題となっている要援護者問題に焦点をあてた「同(要援護者版)」などを開発した。さらに、「調査票版クロスロード」によるデータ収集・分析を進め、地域間、世代間、あるいは、防災関連業務の体験の有無による、「クロスロード」項目に対する回答傾向の異同についても分析した。 第2に、ゲーミング技法を活用した新しい津波防災教育ツールの開発のための準備作業を行った。具体的には、まず、インド洋大津波などによって再び脚光を浴びた「稲むらの火」など、伝統的な津波防災教育素材の有効性とその限界について、社会心理学、教育制度学および津波工学の双方の観点から総合的に検討した。さらに、インド洋大津波、紀伊半島南東沖地震(2004年)、十勝沖地震・津波(2003年)など、近年の津波災害時の避難働向について、防災教育の観点から調査データを収集した。 第3に、ゲーミング技法を活用した総合防災教育プログラムの開発を試みた。具体的には、「持続可能な実践共同体」の概念を防災・減災の領域において有効活用するために必要な概念整理を行うとともに、その観点から、これまでの日本における防災教育について、「総合的な学習の時間」などの制度面、「防災探検隊(わがまち再発見ワークショップ)」といった参加型教育ツールを代表とする実践プログラムの両面から体系的にレビューし、その成果を図書としてまとめた。
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