2007 Fiscal Year Annual Research Report
大規模広域災害を想定した新しい防災教育技法の開発に関する研究
Project/Area Number |
18310114
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢守 克也 Kyoto University, 防災研究所, 准教授 (80231679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 肇子 慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (70214830)
渥美 公秀 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (80260644)
越村 俊一 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50360847)
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Keywords | 防災教育 / ゲーミング / 津波 / 参加型教育 / 減災 |
Research Abstract |
本年度も、参加型防災教育技法の開発を、いくつかのサブテーマごとに推進し、あわせて、その防災心理学的意義について理論的に考察した。 第1に、防災ゲーム「クロスロード」を用いた地域防災教育をさらに広範囲で展開し、その成果を学術論文としてまとめた。阪神・淡路大震災の教訓をもとに作成した「クロスロード」のローカル版や個別課題版として、「東海地震版」、「原子力発電所安全版」などを追加作成し、個別の防災・減災実践に寄与した。また、「クロスロード」形式の防災教育ツールが災害リスクマネジメント一般に対してもつ意義についても理論的考察を行い、その成果を学術論文として公表した。 第2に、「クロスロード」を、イタリア、英国、オーストリア、インドネシア、インドなど諸外国の防災研究者、防災実務者に紹介し、その国際的妥当性について検証した。具体的には、「クロスロード」のオリジナル版を英訳しその普及をはかるとともに、それぞれの国における個別的課題(津波防災、高波防災など)に応じた新しい版の試行版を共同作成した。 第3に、主として、小児や高齢者を対象とした防災教育ツールである「ぼうさいダック」を、全国で活用する実践を進めた。特に、広島県呉市などでは、幼稚園や保育所等において実施される通常の防災訓練、消防訓練等に組み入れて活用する手法を、消防、教育施設等との共同作業を通して確立した。また、その成果と今後の課題については、学術論文としてとりまとめた。 第4に、日常生活のただ中に防災のための実践をビルトインすることを中核とする新しい防災教育技法を「いつも防災」という名称で提起し、その大衆的普及を図った。
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