Research Abstract |
化学プラントの安全性を向上し,保安事故を防止するために,本研究はでは以下の3点を研究課題とし,システム設計,システム実装,企業製造設備を対象としての実用性の検証・評価を行うことを目的としている. 課題1 ダイナミックシミュレータを中核とするプラント安全管理統合化システム(異常進展解析・異常挙動予測システム・リスク評価システム,異常対応決定支援システム)の構築 課題2 安全情報データベース統合化,種々の安全技術情報,事故調査情報を共有可能な知的基盤の構築 課題3 次世代統合化安全管理システム,運転支援・安全情報教示システムの構築 課題1については,ダイナミックシミュレータ機能の高度化を実施した.異常時対応操作の結果をシミュレータに反映させ,操作の正当性を表示するための機能を開発した.これにより,設備故障,誤操作,さらに地震等の災害によりプラント・プロセスの一部が故障・損壊した場合の異常進展シナリオを明らかにすることが可能となる.独立防御層の階層の異常時の故障確率,異常伝播スピードを考慮して設備のリスクを算定する.これらの異常進展,危険評価情報を基礎として,操作手順を決定する.さらに,ダイナミックシミュレータにより,その操作の正当性を判断することが可能であり,対応の誤りにより事故に至る事態を避けることができる. 課題2については,事故・ヒヤリハットデータベースを構築するとともに複数のデータベース統合するための検索機能を構築し,実装した.さらに,安全情報管理システムを構築した. 課題3については,危険源を特定するための解析システムプロトタイプを実装するとともに,異常時対応操作,安全業務に対応した安全情報教示システムを実装した.さらに,ヒューマンエラー・事故防止のための操作の妥当性を評価するシステムを設計した.それらを組み込んだ操作支援システムの基本構成を構築することが可能となる.
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