Research Abstract |
石油精製実規模プラントの一部(水素化脱硫装置)およびバッチプラントを対象とした実験用模擬プラントを構築した。また,化学プラントの設計情報を利用した異常伝搬経路探索システムを開発したが,プラントの安定運転のために設置されている制御系の抑制動作制御系の抑制動作を考慮した異常伝搬経路探索アルゴリズムに改良し,実稼働プラントでその有用性を検証した.また,過去の正常な運転履歴情報を参照して正常運転時の挙動を予測するシステムの有用性についても検証を行った.これらのシステムを組み込み,対象プラントのダイナミックシミュレーターと仮想現実感(VR)を統合した.VRシステムを経由し,各種誤操作,設備故障を入力し,これをダイナミックシミュレータに反映することを可能とした.ダイナミックシミュレータによりプラントプロセス変数の動的異常状態を仮想現実感で表示すると同時に回復操作などの操作手順を教示する機能を実装した,プラントの異常状態をダイナミックシミュレータで実現するとともに,安全情報データベースで構築した事故調査情報DBシステムを統合した。これにより,過去の事故事例をVR環境で再現するシステムの基礎を構築した.なお,事故事例については,原因と対策の解析結果の整理法についても新たな方法を考案し,既存の事故報告書に適用して有用性を検討した.さらに,これまでに実装しているリスク評価システム(HAZOPシステム,リスク解析システム)を石油化学プラントに適用し,システムの実用性を検証・評価した.すなわち,安全技術情報データベースと個別ツール群を統合して安全評価管理支援システムを構築し,統合安全情報管理データ共有利用システムの総合的な検証と評価する。VR環境については,実験用模擬プラントにリモート操作・監視機能,リモートエンジニアリング機能を追加し,これらをLAN接続する機能を実装した,これにより,制御・情報系ネットワークを構成した.研究分担者は,このネットワーク環境を通じて,エンジニアリング作業,実験を共同で実施することが可能となった.これら研究成果を,国際会議,学術雑誌に発表した.
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