2006 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーの瞬時放出:流体構造連成解析が解明する亀裂・破壊・飛散と人的被害
Project/Area Number |
18310118
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松尾 亜紀子 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70276418)
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Keywords | 爆発 / 爆風 / コンピュータシミュレーション / 爆轟 / 爆燃 / DEM法 / 流体構造連成問題 |
Research Abstract |
本研究課題においては,爆薬による点源爆発及び可燃性気体による爆燃/爆轟のガス爆発を考え,生じる爆風の威力とそれによって生じる飛散物による二次的被害の数値的再現を目的とする.解析では,流体と構造の連成問題を解き,爆風被害による構造物の亀裂・破壊・飛散現象と発生する人的被害の把握を目指している. 平成18年度は二ヶ年計画の初年度として,圧縮性流体と固体構造物の連成解析コードの開発に焦点を絞り,以下の3点に沿って研究を進めた. (1)圧縮性流体解析による構造物中の爆風伝播挙動の解明:高エネルギーの点源からの瞬時爆発,つまり爆薬を想定した爆風解析を行った.大規模複雑形状への応用を可能とする手法について調べ,解析コードへの取り込みを行った.開口窓部を有するビル間における爆風伝播の様子や壁面圧力分布などへの応用への適用は完了した.また,開放空間における大規模爆発を想定し,点在する建物への爆風の影響による建物健全性について検討した. (2)爆轟・爆燃の燃焼過程によって化学種あるいは相変化する化学反応の取扱:化学反応の取扱としては,実スケールにおける爆轟・爆燃燃焼の再現のための解析手法の選定と実用化へ向けたコード作成を行った.爆轟モデルとしては,1一数段階からなる簡略化された反応モデルを用いた.また,爆燃については,燃焼速度に応じた火炎の伝播を陽的に表すモデルを用いた. (3)流体力学的効果あるいは構造物同士の衝突による構造物の亀裂・破壊・飛散の再現:流体と構造固体との連成問題の取扱としては,様々の方法が考えられる.本課題では爆発や飛散といった固体の大変形の扱いに適している粒子法の中で,特に固体破片の形成のような不連続的挙動を再現するのに適したDEM法に着目した.von Misesの降伏条件に基づく弾塑性理論による構成則を導入し,一次元および二次元解析手法を開発した.
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