2007 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーの瞬時放出:流体構造連成解析が解明する亀裂・破壊・飛散と人的被害
Project/Area Number |
18310118
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松尾 亜紀子 Keio University, 理工学部, 准教授 (70276418)
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Keywords | 爆発 / 爆風 / コンピュータシミュレーション / 爆轟 / 爆燃 / DEM法 / 流体構造連成問題 |
Research Abstract |
本研究課題では,爆発による爆風によって生じる構造物破壊現象の数値的再現を可能とする解析手法の提案と検証を行った.手法としては,DEMに連続体力学の概念を導入することで偏差応力を再現することを可能とした手法を提案した.提案した手法検証のためと連成法確立のために比較検証を行った.以下に,その詳細を記す. 1.Continuous-DEMの構築:不連続体解析法であるDEMのばねのひずみの算出法を改良した Continuous-DEM(C-DEM)の構築を行った.C-DEMでは,演算中に連続体力学に基づく構成則を導入することを可能とした.また,擬似粘性項を導入することにより数値的安定性を獲得した. 2.固体の衝撃解析によるC-DEMの検証計算:金属棒の剛体壁への一次元衝突解析では理論解とよい一致を得た.金属棒の剛体壁への二次元衝突解析では,実験で得られる塑性変形が定性的に再現された.固体同士の一次元衝突解析では,衝突後の飛翔体,標的の挙動が理論値とよい一致を示した.また二次元衝突解析では,飛翔体および標的における応力履歴がAUTODYN[○!R]とよい一致を示した. 3.爆風と金属の一次元連成解析による連成法の検証および検討:流体から凝縮相に圧力,凝縮相の粒子速度を与えることで物質境界を再現できることがわかった.接触爆発では一方向解析では境界圧,粒子速度が過大評価されたが,双方向解析ではAUTODYN[○!R]とよく一致した.近接爆発では爆風圧が弱く,連成法による影響が小さいが,材料の圧縮波が気相中に伝播することにより,一方向では結果が過小評価される可能性があることがわかった. 4.衝撃波と円柱形水柱の干渉実験の模擬による検証と水柱崩壊メカニズムに関する検討:衝撃波と水柱の干渉は不安定な現象であるため,数値的にも不安定となり現状では長時間計算はできなかったが,水柱近傍の渦構造の形成に関しては実験を定性的に再現することができた.数値的に安定な四角柱形の水柱による解析結果により,水柱の移動変形が渦の発達や高圧場の乱れを促し,更なる移動変形を促進させるメカニズムが確認された.
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