2007 Fiscal Year Annual Research Report
古代・中世の地震史料の校訂・データベース化と共有型拡張・活用システムの開発
Project/Area Number |
18310124
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石橋 克彦 Kobe University, 都市安全研究センター, 教授 (70011723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 由紀夫 群馬大学, 教育学部, 教授 (40198825)
榎原 雅治 東京大学, 史料編纂所, 教授 (40160379)
田良島 哲 国立文化財機構東京国立博物館, 事業部, 情報管理室長 (60370996)
矢田 俊文 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (40200521)
原 正一郎 京都大学, 地域研究統合情報センター, 教授 (50218616)
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Keywords | 歴史地震・噴火 / 地震史料 / 全文データベース / 史料の精選・校訂・再編集 / 学際共同研究 / インターネット / 共有型拡張・活用システム / 古代・中世 |
Research Abstract |
日本の歴史地震・噴火を研究するための根本資料である既刊地震吏輝集は、信頼性の低い史料の混在と、検索の不可能性という、二つの大きな問題を抱えている。本研究課題の目的は、古代・中世を例にとって、この問題を抜本的に改善することである。そのために、理学・日本史学・日本語情報処理学の学際共同研究を実施し、信頼性の高い地震・噴火史料全文データべースの構築を目指した。まず、昨年度までにXMLデータ化して数次の校訂を施した古代・中世の全地震史料について、精選・校訂・再編集の最終確認をおこない、XMLデータを完成させた。そのデータでは、一つ一つの史料に対して、主として歴史学的観点にもとづき、AからEまでの史料等級を付した。一方、インターネットで公開予定のデータベースを将来ユーザが共有的に拡充・活用していくことを視野に入れて、インターネットを介した拡張・活用システムを開発し、すでに試作していたデータベースの仕上げに用いながら改良した。既刊史料集で混乱していた典拠や和暦西暦変換の整理、異体字等についての検討、新たな綱文の作成などもおこなった。こうして、日本の古代・中世の地震・噴火および関連事象に関する既刊の文献史料のすべてについて史料学的・理学的検討を加えた全文データベースを完成させた。収録対象期間は、便宜上、近世初期の1607年2月(慶長十二年一月)までである。このデータベースでは、個々の地震・噴火なを「事象」,一つの事象に関する情報の集合を「事象レコード」と呼んでいるが、全部で3000余の事象レコードを収録している。2008年度初めに一般に公開する予定であるが、標準画面では、史料等級がAとBの史料のみ,すなわち歴史学によって史料と認められるレベルのものだけが精選されて示される。
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