2007 Fiscal Year Annual Research Report
アレル依存的発現と転写調節領域ハプロタイプの関連の解析
Project/Area Number |
18310131
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田平 知子 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 助教 (50155230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 健志 九州大学, 生体防御医学研究所, 学術研究員 (00019671)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子発現 / SNP |
Research Abstract |
遺伝子発現に影響を及ぼす多型はゲノム中に多数存在し、種々の疾患への感受性に関連する。このような多型(SNP)を同定するため、複数の個人由来の細胞を用いて、発現アレイで調べた各遺伝子の発現レベルとその細胞のSNPジェノタイプとの関連を回帰分析等により解析した研究が報告されている。しかし、異なる個人間で発現レベルを比較する場合はノイズや交絡要因の影響が無視できず、実験間の再現性も限られている。本研究では同じ細胞内の2つのアレルの発現量の違いを定量的SSCP解析で比較することにより、転写単位上の、つまりcisに関連するSNPを確実に同定することを目指す。ここで、ゲノム全体からアレル依存的に転写される領域を同定するためには大規模な1次スクリーニング法を採用する必要がある。そこで、異なったアレルを持つ核内1次転写産物の比較定量にSNPタイピング用のマイクロアレイを使う方法を検討した。この方法では各アレル由来の転写産物による蛍光シグナルの比を同じ細胞のゲノムDNAの各アレルのシグナルの比で補正したものをアレル特異的転写物の量比として扱う。定量性を検討する予備実験として遺伝子型解析済みの42人のDNAを等モルで混合したプールDNAをマイクロアレイで解析した場合のアレル頻度の定量性を検討した。用いたアレイはバックグラウンド補正用にミスマッチプローブを含んでいたが、これらによる補正を行わないほうがデータの再現性が良くなった。各SNPごとに、プールDNAを検体とした場合の完全マッチプローブの各アレルのシグナルの比をヘテロ検体の同シグナル比で補正したところ、アレル頻度の実測値と非常によい相関が見られた。したがって、マイクロアレイをアレル間の発現の比の定量に使用することは妥当であると結論した。これによってアレル特異的転写産物の定量をゲノムワイドに行うための重要な技術基盤を確保した。
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[Journal Article]2008
Author(s)
Qin M, et. al.
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Journal Title
Human Genetics 122
Pages: 615-623
Peer Reviewed
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