2006 Fiscal Year Annual Research Report
実用化に向けたプローブオンキャリア型DNAチップの改良
Project/Area Number |
18310135
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
塚原 俊文 北陸先端科学技術大学院大学, ナノマテリアルテクノロジーセンター, 教授 (60207339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 健造 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教授 (90293894)
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Keywords | 超分子化学 / 遺伝子 / ゲノム / バイオ関連機器 / マイクロアレイ / 多孔質ガラス / 核酸合成 / 固相担体 |
Research Abstract |
プローブオンキャリア合成の最適化のため、核酸合成の固相となる多孔質ガラス担体のリンカーの種類・密度及び脱保護剤の検討を行った。その結果、疎水的な16-Hydroxydecanoicリンカーを用い、MeNH_2/THFで脱保護することで、従来の1/20程度まで脱保護時のDNA脱落を抑制することに成功し、またリンカー密度の最適化も可能となった。さらに、高いS/N比で正確なSNPs検出を可能とするため、可逆的な光ライゲーションをDNAチップ上で行ない、塩基特異的に共有結合を形成させることでS/NJ比を飛躍的に向上する方法を開発した。 また、プローブオンキャリア法を応用した遺伝子発現解析用マイクロアレイについても検討した。発現解析のためには長鎖DNAの合成が必要である。120塩基長のオリゴヌクレオチド配列を合成し、HPLCを用いて分析して長鎖DNA産物の回収率を求めた。より大孔径の多孔質ガラス(細孔径平均200nm以上)をDNA合成用担体として用いる事によって、高収率で極長鎖DNA鎖が合成可能であり、プローブオンキャリア法を利用して遺伝子発現解析用DNAマイクロアレイが作成できることが示された。この結果は超安価な網羅的遺伝子発現解析法に道を拓くものである。 一方、従来型の非定型・粉体プローブオンキャリアでは定量性の向上が困難であると考えられる事から、定形・薄片型プローブオンキャリアの開発を行った。母材ガラスを薄板状や円柱状に加工し、熱処理によって分相した後に切断機によって薄片に切断して定形の薄片を作成した。定法の酸処理およびアルカリ処理により、化学エッチングを行い、多孔体とした。円盤状ガラスは衝撃に強く、化学エッチング行程によってもほとんど破損せず、良好な定形の多孔質ガラスが作成できた。この結果によって定形・薄片型のプローブオンキャリア作成が可能である事が示された。
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