2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18310136
|
Research Institution | Iwate Biotechnology Research Center |
Principal Investigator |
寺内 良平 Iwate Biotechnology Research Center, 生命科学研究部, 研究部長 (50236981)
|
Keywords | 遺伝学 / ゲノム / 植物 / 進化 / 育種学 |
Research Abstract |
(1)イネ品種「ササニシキ」にEMSによる突然変異処理を施した系統のM3世代約1000系統に対して、いもち病菌レース031を接種したところ、野生型では抵抗性を示すのに対して、感受性を示す突然変異体が3系統得られた。ササニシキはPia抵抗性(R-)遺伝子を保有するが、これらの突然変異体はPiaの機能を欠失したと考えて、過去にPia遺伝子がマップされていた領域のR-遺伝子群のDNA変異を解析したところ、2つの突然変異系統において、RGA4と名付けた遺伝子に効果の大きなDNA変異がみつかった。このRGA4がPia本体であると考えて現在相補試験を進めている。 (2)イネ品種「ひとめぼれ」M4世代を2500系統育成した。これらの系統について、ゲノム上から無作為に選んだ5ヵ所について、TILLING法によって1Kbに含まれる変異量を推定したところ、1系統あたりゲノム中に約1000ヵ所の点突然変異を保有することが推測された。この変異率を有する系統群を1万系統作出することにより、イネのほぼ全ての遺伝子に対して変異を飽和した突然変異系統群を完備することが可能となると考えられると考え、平成20年度も引き続き約15000系統の突然変異処理を実施し、M2系統約4000系統を得た。これらの系統群は、将来の正逆遺伝学の実験材料として、また育種素材として活用する予定である。さらに、現在までに得られた突然変異系統の中から、形態が変異した系統を選び、原因遺伝子のマッピングを進めている。
|