2006 Fiscal Year Annual Research Report
KIAA遺伝子群の遺伝子欠損法による機能解析と巨大蛋白質複合体の同定
Project/Area Number |
18310137
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
中山 学 (財)かずさDNA研究所, ヒトゲノム研究部・ゲノム解析技術研究室, 主任研究員 (30370927)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 動物 / 脳・神経 / 発生・分化 |
Research Abstract |
KIAA蛋白質を含めた巨大な蛋白質は蛋白質複合体の中心的働きをすると考えられるため、KIAA蛋白質を欠損させれば、機能蛋白質複合体の機能全体に影響を与え、遺伝子欠損マウスで明らかな表現型を示すという仮説を提唱している。既に作製済みのKIAA遺伝子欠損マウスの中で、KIM1440遺伝子欠損マウスは胎生致死の表現型を示し、完全な胚盤胞になることはできずにアポトーシスを引き起こされることを明らかにしてきたが、最近K1AA1440蛋白質がU1,U2 snRNAの3'側のプロセシングに関与するインテグレーター複合体の構成蛋白質であることが他のグループにより示唆された。そこでKIAA1440遺伝子の欠損がU2 snRNAの3'側のプロセシングに直接関与するかどうかを調べるために、成熟、未成熟型のU2 snRNAの量をリアルタイムPCRで定量を行なった。KIAA1440-/-の3.5日胚ではKIAA1440+/-の3.5日胚に比べて成熟型U2 snRNAの量が低下している一方、未成熟型のU2 snRNAの量は増加していた。このことから、KIAA1440蛋白質はインテグレーター複合体の構成蛋白質であるとともに、KIAA1440遺伝子欠損はインテグレーター複合体の機能の不可欠な役割を果たす蛋白質であることを明らかにすることができた。また、別の遺伝子欠損マウスであるKIAA1447遺伝子欠損マウスの新生仔は生後直に死亡するが、詳細に機能解析を行ったところアルシアンブルーとアリザリンレッドによる骨染色の結果から、KIAA1447-/-新生仔の骨形成不全が観察された。更に、KIAA遺伝子群のin situハイブリダイゼーション法を用いて脳内の発現を調べたところ、KIAA1793遺伝子では特定の脳領域特異的にmRNAを発現させていることが明らかになった。
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