2007 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドーム解析に基づく組織特異的なプロセシング予測法の開発
Project/Area Number |
18310138
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
南野 直人 National Cardiovascular Center Research Institute, 薬理部, 部長 (50124839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 一樹 国立循環器病センター(研究所), 薬理部, 室長 (80260313)
尾崎 司 国立循環器病センター(研究所), 薬理部, 室員 (60380565)
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Keywords | ペプチド / ペプチドーム / プロセシング / 質量分析 / 生理活性ペプチド / 分解ペプチド / 下垂体 / 副腎髄質 |
Research Abstract |
昨年度のラット組織の比較検討から、下垂体のペプチド含量が最も高く分泌性ペプチドを高品質で調製可能であることが判明したため、本年度は前葉と中後葉に分離してペプチドーム解析を行った。灌流して血液除去した下垂体を前葉と中後葉に分離、加熱処理、抽出を行い、得られたペプチド画分を2次元HPLCで分離し、LTQ-Orbitrap,4800 Maldi-Tof-Tof質量分析計で構造解析を行った。下垂体前葉では解析が良好に進み、170種あまりの前駆体タンパク質由来の約1100ペプチド(重複を省く)が同定され、その内85%は分泌蛋白質、約11%が細胞内蛋白質に由来した。一方、中後葉ではバソプレッシン前駆体、プロオピオメラノコルチン(POMC)由来ペプチドが極端に多く、オキシトシン前駆体さえ一部しか観測できないなど、ペプチド濃度の極端な差異により、限定的な情報しか得られなかった。10前駆体では20以上のペプチド数が同定され、ある程度の切断解析が可能であるが、下垂体前葉・中後葉で違いを比較できるのはPOMCに限定された。POMCではアセチル化、アミド化などの翻訳後修飾についても比較可能であり、現在これらも含めたプロセシング解析を進めている。 副腎髄質については、組織レベルでは細胞内蛋白質の分解ペプチドが主体となったため、灌流系、初代細胞培養系などを試みたがいずれも良い結果が得られず、分解と生成を区分する手法を開発しつつ検討を行っている。この方法が確立できれば、分解系と生成系の区別が可能と考えられる。その他、排除リストの作成なども含めたペプチド同定効率の増加法、ペプチドの量的比較を含めたプロセシング予測法などをも検討しているが、対象が産生するペプチドの圧倒的な量的相違が全てに影響し、部分的な改善効果はあるものの有効な解析手段の作成に至っていない。
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Research Products
(6 results)