2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18310143
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
蓮見 惠司 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (20208474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢ヶ崎 一三 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (20166474)
三森 国敏 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (10239296)
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Keywords | 生理活性物質 / 薬理活性 / プロテオリシス / 血管新生 / がん / プラスミノゲン |
Research Abstract |
1.新規エキスパート分子の単離とin vitro活性評価:初年度に引き続き新規誘導体の作成を進め、新たに4種の新規同属体を単離した。昨年度単離した30種の新規同属体とあわせて、in vitroプラスミノゲン活性化測定系および断片化測定系を用いてこれら誘導体を評価した。特徴的な活性を示す同属体6種について、in vitroでのプラスミノゲンのフィブリン結合および血栓溶解促進、in vivoでのプラスミン生成の促進活性について更に検討し、プロテオリシスの促進に特化した化合物、プラスミン断片生成に特化した化合物、両者を併せ持つ化合物をそれぞれ同定した。 2.SMTPの生理機能メカニズムの解析:SMTP-7(側鎖にオルニチンを導入した化合物;プラスミン産生促進活性とプラスミノゲンフラグメント生成を併せ持つ)の抗がん作用の詳細なメカニズムを明らかにした。すなわち、(1)SMTP-7の腹腔内投与の1時間後に血中薬剤濃度がピークとなり、それに伴いプラスミン生成の指標(プラスミン-α2アンチプラスミン複合体)が増加、(2)薬剤投与の2時間後には、がん組織で血管新生阻害プラスミノゲン断片が増加、(3)薬剤の投与により、マウス背部皮下に移植したがんに誘導される血管新生が抑制され、(4)がんの増殖が抑えられる、という一連の機序を解明した。また、抗糸球体抗体によるラット腎炎の改善効果についても検討し、特に脂質レベルの改善効果を確認した。SMTP-7は、食餌誘導高脂血症モデルで脂質低下作用を示さないため、これは腎機能改善と関連していると判断できる。更に、慢性肝炎モデルでの改善効果には、肝実質細胞の再生が関わることも明らかとなった。
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