2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現制御の分子機構の解明を目的とした修飾ヒストン合成法の開発
Project/Area Number |
18310145
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
相本 三郎 Osaka University, たんぱく質研究所, 教授 (80029967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 正二 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50132931)
川上 徹 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (70273711)
末武 勲 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (80304054)
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Keywords | ヒストン / メチル化 / 化学合成 / 翻訳後修飾 / ライブラリー / メチル化リシン / ヒストンH3 / ライゲーション法 |
Research Abstract |
昨年度までに、収率は低いものの目的とする全長修飾ヒストンである[Lys(Me_3)^9]-Histon H3(1-135)が合成できていることを質量分析法により確認することができたが、縮合反応効率の改善や反応混合液からの生成物の単離・精製効率の向上には、それぞれの点において抜本的再検討が必要であるとの結論に至った。そこで、まず縮合法について再検討した。これまで拡張型ライゲーション法とnative chemical ligation法を組み合わせてペプチド鎖を縮合させて全長ヒストンを合成する予定であったが、収率を向上させることができなかった。そこで、Histon H3(44-95)チオエステルとHiston H3(96-135)をnative chemical ligation法で縮合させ、その生成物であるHiston H3(44-135)とHiston H3(13-43)およびHiston H3(1-12)チオエステルをチオエステル法で順次縮合させることとした。しかし、そのためには、Histon H3(44-135)の遊離のチオール基を穏和な条件下で修飾でき、しかもチオエステル法での縮合の際に用いる銀イオンに対しても安定なチオール保護基とその導入試薬を見出す必要があった。探索の結果、保護基としてCH_3-S-基が、導入試薬としてCH_3-S-SO_2-CH_3がその目的に合致することが判明した。現在、Histon H3[Lys(Me_3)^9]-H3(1-12)、H3(13-43)、H3(44-95)、H3(96-135)の4つの合成ブロックを順次縮合することにより、全合成を試みている。また、ヒストンおよびその中間体はHPLCカラムに非特異的に吸着するため、精製が極めて困難である。そこで、アフィにニティーカラムクロマトグラフィーにより合成中間体を精製するため、光照射や選択的化学反応により切断できるペプチド精製用のタグを開発した。新規生成法を用いることによりHPLCを用いる際の非特異的吸着を軽減できるものと期待している。
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Research Products
(11 results)