2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規C末端特異的誘導体化によるプロテオミクス解析法の開発
Project/Area Number |
18310146
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
中沢 隆 Nara Women's University, 理学部, 准教授 (30175492)
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Keywords | プロテオミクス / アミノ酸配列解析 / MALDI-MS / タンパク質 / ペプチド化学 / Terminal Proteomics / 化学修飾 / タンパク質のC末端 |
Research Abstract |
平成19年度に実施した研究は、特に次の3点において著しい進展が見られた。 1. 極微量(1〜l0nmol)のペプチドのC末端修飾(アミド化及びヒドラジド化)反応条件の最適化を種々検討した結果、収率を60%以上にすることに成功した。これにより、質量分析の感度向上効果に依存していた修飾生成物の分析と反応の追跡が高速液体クロマトグラフィーを用いて定量的に行えるようになった。 2. ペプチドのC末端に対する臭素(ほぼ1:1の天然同位体比の79Brと81Brからなる)を含む修飾試薬を開発し、反応生成物のアミノ酸配列がピークの特徴的な形状をもとに容易に解析できる明瞭な質量スペクトルが得られた。反応の収率を「1」の成果をもとに向上させれば実用化も見込まれる。 3. 本研究計画でタンパク質のC末端アミノ酸配列解析法が実現に向かって進展していることに関連して、既存のN末端アミノ酸配列解析法と組み合わせた新しい研究手法、Teminal Proteomics(末端プロテオミクス)を専門誌に投稿した総説(〔雑誌論文〕の4件目)の中で提唱した。すなわち、プロテオミクスの研究の基本である特定の細胞・組織・器官におけるタンパク質の網羅的解析を行うには多種、微量のタンパク質を迅速に同定、定量する必要があるが、そのためには従来のN末端アミノ酸配列解析のみでは不十分で、これに本研究課題の目指すC末端解析法を組み合わせることが最も効果的であることを指摘した。 また、本研究の過程で新しい原理に基づくC末端アミノ酸配列解析法を着想し、既に実験を開始している。
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Research Products
(5 results)