2006 Fiscal Year Annual Research Report
HLA-A3スーパータイプに拘束される特異免疫反応の分子基盤解明
Project/Area Number |
18310147
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
伊東 恭悟 久留米大学, 医学部, 教授 (50125499)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 亮 久留米大学, 医学部, 教授 (50158177)
由谷 茂 久留米大学, 医学部, 講師 (20279160)
野口 正典 久留米大学, 医学部, 助教授 (10140691)
坂本 菊男 久留米大学, 医学部, 講師 (70279222)
七條 茂樹 久留米大学, 医学部, 助教授 (30080592)
|
Keywords | アレルギー・ぜんそく / ウィルス / 癌 / バイオテクノロジー / 免疫学 |
Research Abstract |
当該研究は順調に進捗したと評価される、その主な概要を以下に記載する。 1.癌関連抗原ペプチドに関する研究:がんに選択的に強く発現するSART3抗原由来ペプチドのうちHLA-A3スーパーファミリーに結合し、かつペプチド特異的細胞障害性T細胞(cytotoxic T lymphocytes, CTL)を誘導するペプチドを新期に同定した(Minami et.al., Int.J.Oncology2006)。その他の癌関連抗原ペプチドに関する研究は平成19年度実施予定である。 2.外来抗原としてのC型肝炎ウイルスペプチド及びスギ花粉ペプチドに関する研究:C型肝炎ウイルス由来ペプチドのうちHLA-A3スーパーファミリーに結合し、かつペプチド特異的CTLを誘導するペプチドを新期に同定した(Mauteda et.al.,論文投稿中)。更にHLA-A2結合性エピトープ(C35-44)が、HLA-A24,A26,A3,A31,A33など他のHLA-A分子にも広く結合し。かつCTL誘導能を有することを発見した。既に同ペプチドは液性免疫も大多数の患者で誘導することを報告している。これらよりC-35-44ペプチドが汎HLA型のペプチドワクチンとして応用可能であることが示された(Komohara et.al.,論文投稿中)。またスギ花粉ペプチドに関しては平成19年度に実施予定である。 3.自己抗原ペプチドに関する研究:PSA抗原が前立腺癌のみならず大腸がん等にも強く発現されワクチンの対象になりえることを明らかにした(Wang, et al., Oncology Report2006)。その他の自己抗原由来抗原ペプチドに関する研究は平成19年度実施予定である。 4.総括:HLA-A3スーパータイプに拘束される特異免疫反応の分子基盤解明研究を初年度実施し、一定の効果が得られた。それらの新期の成績はこれまでに報告されている成績とは、かなり異なる成績と思われ、HLA-A3スーパーファミリーに結合する分子のアミノ構造は多様性に富み、従来のHLA-Aスーパータイプ抗原提示分子に結合するペプチドの予測データプログラムソフトでは適切なペプチド分子が予測できない可能性が高いことが判明しつつある。
|
Research Products
(8 results)