2007 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病に関わる蛋白質の中間領域中性子散乱法による構造研究
Project/Area Number |
18310148
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古坂 道弘 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (60156966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 正明 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (10253395)
和田 圭司 国立精神神経センター, 神経研究所, 部長 (70250222)
望月 秀樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90230044)
藤田 文行 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10002312)
本間 彰 北海道大学, 大学院・工学研究科, 技術専門職員 (80374594)
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Keywords | 中性子小角散乱 / 中性子広角散乱 / タンパク質溶液散乱 / 溶液散乱解析 / パーキンソン病 |
Research Abstract |
この研究の目的は、パーキンソン病の発症に深く関連しているシヌクレインなどのタンパク質の溶液中での会合状態、タンパク質の形状を調べることにある。そのために、本来不可欠ではあるが、これまで注目されてこなかったQ〓0.1〜0.5A^<-1>の領域の中間領域散乱を効率よく測定するための中間領域散乱装置(iANS)の開発を行っている。 iANSについては小角散乱測定用のモノクロメータであるSiベンダー装置、Si結晶等を設置するとともに、その湾曲度、結晶角、アオリ、中性子ビーム分解能変更用のアパーチャー等を制御するための装置を整備した。装置本体に関しては11月から予備的な測定を開始した。まずはモノクロメータからの中性子ビームの湾極度依存性、角度依存性、一依存性等のデータを取得した。次に装置本体の位置を調整し、総合的に中性子強度が最大になる位置を探した。 直接ビームのビーム形状を高分解能検出器で測定した。ビーム中心に非常に近い領域では、試料の有無でビーム強度分布が異なり、透過率の補正をしながら、試料有りのデータから試料無しのデータを引くと、比較的大きな負の値を持った部分が存在することが判明した。その後の調べでモノクロメータの上流にある装置がある位置に有る場合に丁度iANSのビームを一部遮るような配置になることが判明した。このようなことが起こらないように上流側の装置を改良した。また、負の値を持つ領域が出たのもそのせいであることが考えられる。 標準試料として20nm直径の鉄の微粉末、牛の大腿骨の断面、標準試料としての水、ミクロ相分離した共重合試料等、幾つかの試料の小角散乱を測定した。同径平均をとり、それぞれが妥当な小角散乱のデータになっていることを確認した。
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Research Products
(3 results)