2008 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病に関わる蛋白質の中間領域中性子散乱法による構造研究
Project/Area Number |
18310148
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古坂 道弘 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (60156966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 正明 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (10253395)
望月 秀樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90230044)
藤田 文行 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10002312)
本間 彰 北海道大学, 大学院・工学研究科, 技術専門員 (80374594)
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Keywords | 中性子小角散乱 / 中性子モノクロメータ / パーキンソン病 / シヌクレイン |
Research Abstract |
中間領域散乱実験装置に関しては以下のような整備を行った。(1)中間領域の測定に用いる検出器を整備した。これにはチューブ型の位置敏感型1次元検出器(PSD)、直径1/2 inch (12.7mm)、有効長607mm、位置分解能約10mmのものを48本使用し、順調に稼働している。(2)中性子モノクロメータには湾曲化シリコン完全結晶を用い、5.8Aの中性子取り出しを行った。このモノクロメータは、中性子のビーム発散角を有効に利用することで強度を上げる原理で、これまでに無いものである。ビーム取り出し角度、設置位置、あおり角などの調整を行い、強度の最適化を測った。しかし、詳細な測定の結果、設置位置での幾何学的制約が強く、また、湾曲化装置に問題が有り、当初予定していたほどの強度はまだ得られていない。今後改良を行う予定で、現在、原因を詳細に検討しているところである。(3)装置に遮蔽を取り付け、バックグランドを下げるとともに、溶液散乱を行うための石英セルを支持する台を取り付けた。 中性子ビームの評価、鉄、ニッケル、水、DI33ブロック共重合体などの標準試料による測定を行った。また、二進数を読み込み、バックグランドの補正、同径分布関数の計算、不要な部分のデータをマスクするプログラム等をMathematicaプログラムで作成した。更に二次元データ表示が簡便に出来る環境を整備した。 パーキンソン病脳細胞内のシヌクレインの遺伝子変異蛋白質の合成と生理学機能検証、動的光散乱による脳蛋白質構造解析を行ったものについて中性子小角散乱の測定を行った。結果については解析中である。
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