2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18310149
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
磯貝 泰弘 Toyama Prefectural University, 工学部, 准教授 (00201921)
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Keywords | 蛋白質 / 分子設計 / フォールディング / 立体権造 / 生理活性 |
Research Abstract |
(1)アミロイド形成能の高い天然タンパク質の一部に、酸化還元成分としてヘムを結合する人工タンパク質を付加することにより、ナノサイズの導電体であるナノワイヤーの合成を試みた。具体的には、均一で規則的な構造をもつアミロイドを形成することが知られているウシ由来ホスファチジルイノシトール-3'-キナーゼのSH3ドメイン(PI3-SH3)と4本ヘリックスバンドルを形成して複数のヘムを結合するポリペプチド(bHH)をN末からC末方向にタンデムに並べた新規人工タンパク質の設計と合成を行った。合成されたポリペプチドは、中性pHのバッファー中で、設計通りのヘリックス含量をもつタンパク質に折り畳まれた。この試料をpHジャンプにより酸性条件下に移すと、ヘリックスは速やかに壊れ、徐々にβシート構造を形成した。この試料にチオフラビンT(ThT)を加えて蛍光測定を行ったところ、アミロイドの形成を示す蛍光強度の増加が確認された。この試料を再度中性に戻し、ヘムを添加したところ、ヘムの特異的結合を示す可視光吸収スペクトルとヘリックスの再形成を示すCDスペクトルの変化が観察された。 (2)新規機能性分子の合成を容易にすることを目的として、抗生物質の生産に利用されるN-terminal nucleophile (Ntn) hydrolaseの研究を開始した。Ntn hydrolaseの一つであるセファロスポリンアシラーゼ(CA)の結晶構造をもとに、多数のCA変異体と複数の基質分子とのドッキングシミュレーションを行った。計算された結合エネルギ・を既報の実験ミカエリス定数と比較したところ、計算値と実験値の間に顕著な相関関係を見いだした。
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