2007 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光タンパク質におけるphoto-modulationの分子基盤と応用
Project/Area Number |
18310150
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮脇 敦史 The Institute of Physical and Chemical Research, 細胞機能探索技術開発チーム, チームリーダー (80251445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 秀昭 独立行政法人理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, 専門職研究員 (80301779)
筒井 秀和 独立行政法人理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, 客員研究員 (30392038)
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Keywords | 蛍光タンパク質 / バイオイメージング |
Research Abstract |
Dronpaは青色光を吸収し、明るい緑色の蛍光を発する。また、490nmの強い光を照射すると暗状態に移行し、400nmの照射で元の明状態に戻る。我々は、Dronpaにランダムに変異を入れることによって、photoswitchingをより高効率で起こす2つの変異体を得た。Dronpa2とDronpa3である。Dronpa2は159番目のメチオニンがトレオニンに、Dronpa3は157番目のバリンがイソロイシン、159番目のメチオニンがアラニンに変異している。2つの変異体は、Dronpaに比べて青色光でより効率良く暗状態に移行する。精製したタンパク質をミネラルオイルに封じ込め、顕微鏡で測定した結果、Dronpaの明状態から暗状態への量子収率は3.0x10^<-4>なのに対して、Dronpa2は4.7×10^<-2>、Dronpa3は5.3×10^<-3>で、変異体が遙かに効率よく暗状態に移行することが分かった。また、同様に暗状態から明状態への量子収率を測ろうとしたが、変異体は光による移行だけではなく、温度による移行も大きいため、正確な測定は困難だった。しかし、Dronpaと同程度の効率で暗状態から明状態に移行すると思われる。 以上の性質により、変異体はアルゴンレーザー(488nm)で励起するとあっという間に暗くなってしまうため、十分な蛍光シグナルを観察することが出来ない。紫色レーザー(405nm)で励起しても蛍光シグナルは出ない。しかし、488nmと405nmを同時に照射すると、暗状態と明状態を素速く行き来することになり、明るい蛍光シグナルを得るのに十分な明状態の分子の数を保つことが出来る。実際に、HeLa細胞のミトコンドリアと細胞膜にターゲットしたDronpa3の蛍光像を撮影することに成功した。
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