2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18310152
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
村山 美穂 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教授 (60293552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 晃子 名古屋文理大学, 健康化学部, 教授 (50236486)
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Keywords | 稀少野生動物 / 霊長類 / ゲノムDNA / 多様性 / 遺伝資源 / リアルタイムPCR / DNAバンク / 全ゲノム増幅 |
Research Abstract |
近代文明の発達とともに、野生動植物は存続の危機に瀕しており、種の保護保全はもとより、種の多様性の確保維持も重要な課題となっている。申請者らは、稀少野生動物、絶滅危惧動物を含む約4,000個体のゲノムDNAを保有している。本研究は、個体の遺伝情報をDNAとして抽出、保管し、遺伝資源として広くユーザーが利用できるシステムを構築することによって、稀少動物の遺伝情報の保全および活用を目指す。 18年度は、DNAバンクをさらに充実させるため(1)DNAバンクの整備および(2)DNAバンクの補完を行い、また有限のDNA試料を増幅して使用するため(3)全ゲノム増幅の条件設定を行った。(1)および(2)については、多種多様な未抽出の試料から、フンや毛など、由来ごとに方法を選択してDNA抽出を行い、これまでに保有している試料とあわせて霊長目76種3,709個体、イヌ119品種3,489個体、その他の哺乳綱11目571個体、ニワトリ43品種2,601個体、その他の鳥綱16目298個体などのDNAを得た。それらのDNA試料を冷蔵(4℃)、冷凍(-30℃)に分注して保管し、学名、個体の性別、年齢、父母名、調査日時、調査地、採集者名、その他特徴などの情報を入力して整理した。また個体情報をさらに充実させるため、性染色体遺伝子を指標とした性判別や、マイクロサテライトを指標とした血縁解析を行った。(3)については、REPLI-g mini kitを用いたMultiple Displacement Amplification(MDA)法による増幅を、好条件試料としてチンパンジーの血液由来のDNA、悪条件試料として口内細胞由来のDNAを使用して行い、リアルタイムPCRによる定量とマイクロサテライトの型判定によりその増幅効率、正確性を測定した。その結果、DNA試料7.5ng以上を増幅に用いれば、型判定の結果が安定すると判明した。
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