2008 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア原産栽培植物の野生遺伝資源における多様性形成に関する保全生物学的研究
Project/Area Number |
18310154
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山口 裕文 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 教授 (20112542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 真道 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (60244662)
中山 祐一郎 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (50322368)
山根 京子 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (00405359)
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Keywords | 遺伝資源 / 自生地保全 / 栽培化 / 日華植物区系 / 概念整理 |
Research Abstract |
5月末に前年度の成果を踏まえて研究分担者・連携研究者間の分析内容を調整し、研究を推進した。アズキ属、ダイズ属、ユリ属、ヒエ属、ワサビ属植物およびタケ類に関する系譜研究では実験補助者を雇用し、葉緑体および核遺伝子のシーケンス分析を行い、これまでのデータを併せて系統解析を進めるとともに種群の分岐年代推定と地域個体群の遺伝的多様性を解析した。極東の種や集団における遺伝的固有性を示すために中国西南やヒマラヤ山麓および東南アジアに分布する集団や近縁種との比較を行った。種子の脱粒性の分子機構解明をはじめとして栽培化形質について野生種、雑草種、栽培種における形態学的差異や外観の変化を、イネ、ダイズ、アズキ、タイワンアブラススキなどを事例として分析し、栽培および野生または雑草性を特徴づける脱粒性、巨大化、種子休眠性などの形質を標本および育成個体について解析した。中国雲南省、タイ、マレーシア、インドネシアを含む国内外で栽培種の近縁野生種の自生地においてニッチ分析と植生調査を行いツルマメやヤブツルアズキはかく乱植生の初期遷移段階に、野生サトイモは平地水田側のみでなく林縁の生態的空白地に生育し、タイワンアブラススキや栽培タケ類では栽培放棄地に野生化する実態を確認した。文献調査を進め、栽培種・野生種・雑草系統の関係性をレビューし、野外調査で得られた植物標本や種子を整理し、研究データをドキュメント化し、成果を国際会議および国内学会で公表した。
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Research Products
(8 results)