2008 Fiscal Year Annual Research Report
イスラム教圏東南アジアにおける学知の制度化と実践に関する総合的研究
Project/Area Number |
18310165
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 博之 Kyoto University, 地域研究統合情報センター, 准教授 (80334308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富沢 寿勇 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (70180164)
菅原 由美 天理大学, 国際文化学部, 講師 (80376821)
西 芳実 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (30431779)
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Keywords | 東南アジア / イスラム教 / 秩序構築 / マレーシア / インドネシア |
Research Abstract |
本年度は、5月に研究会を行い、マレーシアの総選挙の分析を行うとともに総選挙前後の政治過程を分析し、現代マレーシアの政党政治に見られる改宗、教育、労働などの諸問題の表れ方を検討した。この成果は共催者である日本マレーシア研究会よりディスカッション・ペーパーとして刊行された。6月には研究会を開催し、昨年度までの研究成果の取りまとめのための議論を行った。イスラム教圏東南アジアにおける学知のあり方を考える上で必要となるジャウィ(アラビア文字表記マレー語)文献がいくつか選ばれ、ジャウィ文献の体系的な収集およびジャウィ文書を読むための講習の必要性などが改めて確認された。これを受けてインドネシアでジャウィ文献を収集し、デジタル化を進めるとともに、簡易検索システムによる記事検索の方法を検討した。西(研究分担者)はインドネシア・アチェ州において災害復興過程における国内外の研究者の参加に関する調査を行った。富沢(研究分担者)はアラブ首長国連邦を訪問し、ハラール認定の観点から中東と東南アジアの産業ネットワークのあり方を調査した。議論を通じて、災害や政治変動などによって社会秩序が一時的に崩れている混乱期に秩序構築がどのようになされ、その過程で既存の学知がどのような役割を担うかについて理解を深めた。11月にマレーシアで開催された国際ワークショップ「イスラーム地域研究の新地平」では、研究代表者および菅原(研究分担者)が研究成果を発表した。
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Research Products
(11 results)