2006 Fiscal Year Annual Research Report
医療技術の開発/応用と社会の関係についてのジェンダー分析
Project/Area Number |
18310169
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
柘植 あづみ 明治学院大学, 社会学部, 教授 (90179987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 香織 信州大学, 医学部, 講師 (50345766)
洪 賢秀 東京国際大学, 経済学部, 講師(非常勤) (70313400)
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Keywords | 卵子 / 生命倫理 / 生殖医療 / 韓国 / 日本 / 再生医療 / 不妊治療 / インタビュー |
Research Abstract |
プロジェクト初年度にあたるH18年度には、国内外において人の卵子の取り扱いに注目が集まったため、「卵子のゆくえ」に関する調査を中心においた。卵子の授受や売買(再生医学研究や生殖医療研究の研究材料として、あるいは不妊治療のため)卵子の凍結保存(自己が時間をずらして妊娠するため)、卵子のバンキング(日本産科婦人科学会によって容認)を調査対象として設定し、国内外において体外に取り出された「卵子のゆくえ」について焦点をあてた調査を開始した。 調査は、海外と国内の双方にて実施している。まず、海外調査は、2006年8月30日から9月5日および2007年3月24日から28日までの2度にわたり、韓国・ソウルにて実施した。内容は、1)黄禹錫元ソウル大教授の「クローンES細胞研究」の成果捏造事件において、2,000個を超える人の卵子が使われたこと、及び卵子提供者のうち2名が提訴したことへの聞き取り調査と資料調査、2)韓国の「生命倫理および安全に関する法律」の改正と新たに検討中の「生殖細胞法」における人の卵子の取り扱われ方についての聞き取り調査と文献調査である。また、別件で来日した韓国の女性団体・機関の人々からの聞き取り調査も実施した。あらに、アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリアなどでの卵子の授受に関する文献を収集し、H18年度以降の調査の準備を行っている。 国内では、まず文献・資料の収集、卵子の研究利用や不妊治療への利用をめぐるセミナーやシンポジウムへの参加、政府の審議会や部会の傍聴を行いながら、一方の当事者である医師へのインタビューを実施した。今後、医師や研究者への聞き取り調査を増やすと共に、卵子授受の当事者となる女性への聞き取り調査やホームページによる情報公開と調査を準備中である。そのために、H18年度では、ホームページのデザインと調査の質問項目を検討し、調査実施への準備を行った。
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Research Products
(7 results)