2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本の宗教とジェンダーに関する国際総合研究-尼寺調査の成果を基礎としてー
Project/Area Number |
18310171
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
岡 佳子 大手前大学, 人文科学部, 助教授 (50278769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝浦 令子 東京女子大学, 文理学部, 教授 (30185821)
高木 博志 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (30202146)
吉田 一彦 関西大学, 文学部, 教授 (40230726)
岡村 喜史 龍谷大学, 文学部, 助教授 (50340493)
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Keywords | ジェンダー / 尼寺 / 宗教 / 仏教 / 女性 / 比丘尼御所 / 中宮寺 / 慈受院 |
Research Abstract |
本年度の主要な活動内容は尼門跡寺院における4回の文書・美術品調査と3回の尼寺文書研究会であった。調査対象寺院は中宮寺(平成18年9月4日〜9日・平成19年2月25日〜3月3日)・慈受院(平成18年8月6日〜10日)・霊鑑寺(平成19年3月21日〜23日)であった。中宮寺では約500点の近代・近世文書の調査書を作成し、慈受院では日記・触留約350点の調書を作成した。これらの一部をマイクロ撮影した。霊鑑寺は書画調査であり、約50点を調査し写真撮影を行った。調査後、調書のデータ入力を実施した。 中宮寺では、近衛篤麿逝去関係文書、慈心院宮法要関係文書、及び天寿国繍帳・弥勒菩薩像の国宝指定関係文書などが検出されたが、国宝指定関係文書は近代美術史の新資料となる貴重なものである。幕末の在地女性の駆け込み関係文書も認められ、近世社会における比丘尼御所の尼寺としての役割が明確となった。慈受院で調査した触留には元へ禄期から幕末に至るまでの比丘尼御所総持院に対し発給された公儀触、それ対する返答書などが書写されており、近世社会における比丘尼御所の位置づけが明確となった。触留は他の比丘尼御所には認められない貴重な文書群である。霊鑑寺では歴代霊鑑寺宮の頂相、自筆の和歌、狩野派・円山派絵師の絵画等も認められ、比丘尼御所の文化が浮き彫りとなった。 尼寺文書研究会の報告者と題名は、第8回高木博志「近代京都と国風文化・安土桃山文化」(平成18年7月2日)、第9回岡佳子「比丘尼御所の組織-円照寺を中心に-」・原口志津子「富山市八尾・本法寺蔵『法華経曼荼羅』と女人往生」(平成18年12月7日)、第10回佐藤文子「聖と優婆夷」(平成19年3月21日)である。本年度の報告は次年度開催予定の国際会議のための準備報告である。 平成19年12月に、京都において阿部龍一氏(ハーバード大学教授)と次年度に予定しているライシャワー研究所とのでの国際会議の共同開催を協議し、内容、日程、要項に関して詳細な打ち合わせを行った結果、12名の参加者と題目が決定した。
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Research Products
(13 results)