2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18320010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
檜垣 立哉 Osaka University, 人間科学研究科, 准教授 (70242071)
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Keywords | ドゥルーズ / フーコー / 生命論 / 生権力 / 倫理 / フランス哲学 / 生命技術 |
Research Abstract |
本研究は、生命論の飛躍的進歩を背景とし、なおかつ生命システム的現象としての人間という視点から社会や倫理性を捉える新しい倫理学的社会学的枠組みが現出していることにともない、それらがもつ思想的意義について根底的に考え、現代技術社会の展望について構想することを目指すものである。そのために、基本的にはフーコーの生政治学概念の具体的展開を図るため、ドゥルーズなど生の哲学との交錯を深めて検討した。そのいくつかの成果は、ドゥルーズの時間論やレヴィナスの生殖を巡る議論などにおいて結実した。身体性やセクシュアリティ・そこでの公共性や倫理に関する議論がそこでのテーマとなった。また、科研の研究を進めるために、生権力論の研究会を三回開催した。一回目は、2007年7月10日『芸術(アルス)と生政治(ビオス)』を巡って講演者:岡田温司(京都大学 人間・環境学研究科教授)。二回目は2007年10月4日「労働・暴力・生政治」講演者:酒井隆史(大阪府立大学 人間社会学部准教授/社会思想史)。三回目は2008年1月29日「ガブリエル・タルドと生権力」講演者:村澤真保呂(龍谷大学 社会学部准教授)、中倉智徳(立命館大学大学院院生)である。三回目は、大阪大学のグローバルCOEコンフリクトの人文学との共催にして、そちらからの補助を得ている。このほかにも、生権力論の具体的展開を巡って、三月末には、公共哲学京都フォーラムでシンポジウムに参加するとともに、また、環境を巡るNPO団体との共同で、思考の実践性についての展開を企画している。
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Research Products
(7 results)