2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18320010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桧垣 立哉 Osaka University, 人間科学研究科, 准教授 (70242071)
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Keywords | ドゥルーズ / フーコー / 生命論 / 生権力 / 政治 / フランス哲学 / 都市論 |
Research Abstract |
本研究は、生命論の飛躍的進歩を背景とし、なおかつ生命システム的現象としての人間という視点から社会や倫理性を捉える新しい倫理学的社会学的枠組みが現出していることにともない、それらがもつ思想的意義について根底的に考え、現代技術社会の展望について構想することを目指すものである。そのために、基本的にはフーコーの生政治学概念の具体的展開を図るため、ドゥルーズなど生の哲学との交錯を深めて検討した。その成果は、檜垣自身の論文、具体的には『思想』岩波書店への連載論文、『現代思想』への寄稿、そして、賭博や偶然性の概念とリスク社会との関連を扱った『賭博/偶然の哲学』河出書房新社において提示した。 また、研究そのものの進め方として、科研費に関連する研究会を何回か開催し、今年は、社会学や人類学を中心とする学生やODの方に発表してもらい審議する会を5回開催した。総合的な方向から、本科研の社会学的・人類学的な意義付けの示唆をえた。この成果は、後に研究会の報告書という体裁もかねて、勁草書房から公刊すべく準備を重ねているところである。また同時的に進行している、法政大学を中心としたベルクソン研究の国際シンポジウムへの参加(仏語発表)や、その原稿の刊行、さらには建築や都市に関する研究会も平行して進めており、そちらのテーマに関する生政治学的な側面についても考察を展開していることを付しておく。
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Research Products
(9 results)