2008 Fiscal Year Annual Research Report
思想史的社会史的史料としての科挙答案に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18320014
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三浦 秀一 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 教授 (80190586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊本 崇 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00153354)
大野 晃嗣 東北大学, 大学院・文学研究科, 講師 (50396412)
渡辺 健哉 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教 (60419984)
鶴成 久章 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20294845)
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Keywords | 科挙 / 中国哲学 / 東洋史 / 登科録 / 会試録 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、応用科挙史学研究会における共同研究を中心に据え、メンバー各人の研究成果各種のデータ作成とメンバー各人の個別研究とを交えることで、研究のさらなる充実とそうした成果の公表を心がけた。とくに今年度は、2008年10月、中国天津で開催された国際学会である第四届科挙制与科挙学研討会に、三浦・鶴成・大野・渡辺4名のメンバーが参加して報告をおこなったのだが、応用科挙史学研究会は、事前の準備を兼ねて、8月にワークショップを開催した。そのなかで三浦は、前年度に刊行されて購入した『天一閣蔵明代科挙録選刊会試録』に収録される試録などを史料に、明代の科挙第二場「論」の出題傾向について、嘉靖年間以降万暦に至る一時期、『性理大全』巻六五から巻六九に記された宋儒の言説が集中的に出題されるという現象をみいだし、それに分析をくわえた報告をおこなった。この研討会におけるメンバー全員の報告に対しては、中国社会科学院歴史研究所による2009年7月刊の(月刊)『中国史研究動態』が、「われわれが中国の歴史をより全体的に理解するうえで役に立つ」、と高い評価を与えている。なお12月には、中央研究院歴史語言研究所の陳〓怡博士を招いて第六回研究集会を開催する予定であったが、博士側のやむを得ぬ事情で来日が延期となり、そこで科研費の一部繰越を申請し許可された。その後、研究集会は2009年12月に「宋明時代的科挙与思想史」をテーマとして、無事、東北大学において開催することができた。そこでは陳博士が「従「主司制」到「至公」之道:唐宋之際貢挙制度性質之転換」と、三浦が「再談策論的魅力」と題する報告をおこなった。
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Research Products
(4 results)