2009 Fiscal Year Annual Research Report
思想史的社会史的史料としての科挙答案に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18320014
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三浦 秀一 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 教授 (80190586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴成 久章 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20294845)
熊本 崇 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00153354)
大野 晃嗣 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (50396412)
渡辺 健哉 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教 (60419984)
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Keywords | 科挙 / 中国哲学 / 東洋史 / 登科録 |
Research Abstract |
研究期間最終年度に当たる本年度は、科挙に関する国際学会である「"科挙制与科挙学"学術研討会」の第五回大会を、8月27・28の両日にわたり、北海道大学の研究グループと共同で開催したことが特筆される。この研討会では総勢31名の研究者が報告をおこなったが、中国・台湾・韓国の研究者とともに、本科研のメンバー全員がこれまでの研究成果を発表した。発表者とその論題を記せば、三浦秀一「明代科挙「性学策」史稿」、鶴成久章「明代会試的判巻標準考」、熊本崇「宋紹興対策二種」、大野晃嗣「従明代進士登科録編纂看明清考試文化中的官年現象」、渡辺健哉「元代科挙礼儀小考―以《永楽大典》所引《経世大典》為線索―」である。この研討会に先立ち、応用科挙史学研究会は、4月と7月、二度にわたりワークショップを開催した。また8月、一関市で開催された明清史夏合宿には、鶴成久章が講演者として招待され、「明代士人にとっての殿試の意味」と題する報告をおこない、その司会を三浦がつとめた。さらに11月には、科挙学の唱道者でもある厦門大学の劉海峰教授の招待により、三浦が「天一閣蔵明代科挙録選刊会試録試補」と題する報告を、同大学において開催された科挙文献研究報告研討会にておこなった。4年間にわたる研究期間の途上、中国寧波の天一閣だけが所蔵する明代科挙関連の史料がまとまって影印出版されたことは、われわれの研究にとっても大きな意義を持った。一定の分量の問題や答案を分析することで、設問およびそれに対する答案の時代的な趨勢を実証的に解明することができたからであるが、しかしその一方で、史料環境の良好化に相応するような基礎的な研究の不足をも、改めて痛感させられることになった。
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Research Products
(5 results)