2006 Fiscal Year Annual Research Report
啓蒙と東アジア:相互性のプリズムを通じた18世紀学の構築
Project/Area Number |
18320025
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 博巳 金城学院大学, 文学部, 教授 (70109833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲見 洋一 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (20051675)
渡辺 浩 東京大学, 法学研究科, 教授 (10009821)
安藤 隆穂 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (00126830)
長尾 伸一 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (30207980)
寺田 元一 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (90188681)
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Keywords | 18世紀啓蒙 / 18世紀東アジア / 百科全書 / 文芸共和国 / 国際研究者交流 / 中国:韓国:フランス |
Research Abstract |
平成18年7月、名古屋大学におけるフランソワ・ラショー氏(エコール・プラチィック・オート・ゼチュード助教授)を招いての研究会を実質的な出発点として、8月、年間計画を練り直し、9月、慶応大学でまず百科全書のリヴォルノ版の調査と同時に当時の修辞学教科書との比較検討を通じた研究会を行った。11月、名古屋工業大学で、『思想としての中国近代』の著者伊東貴之氏(武1蔵大学教授)の講演をもとに、清朝思想史について討議し、現段階の研究の共通理解を図った。平成19年1月、名古屋大学で孟華(北京大学教授)の「ヴォルテールと孔子」・渡辺浩(研究分担者)氏の「聖人は幸福か?」の講演をもとに、18世紀中国における公共性の問題と日中儒学の比較を通じて、東アジアの啓蒙をとくに中国を中心に考察する視点を探って大きな示唆を受けた。2月、韓国18世紀学会から7月にモンペリエで開催される国際18世紀学会への参加予定者を名古屋大学に招いて、ラウンドテーブルの打ち合わせを兼ねた研究会を行い、それぞれ持ち寄ったテーマを総合して「移動」"movement"の視点から各自、ペーパーを準備することとし、6月末を目途に英文要旨を交換して、大会当日の議論がかみ合うよう調整することとした。関連しては、朝鮮通信使と日本の迎接にあたった人々の問で、国を超えた交流があり、他方、朝鮮から清朝に送られた燕行使経験者のうちの所謂る「北学派」の間に「文芸共和国」的な活動が認められることから、18世紀東アジアの啓蒙にも新しい光を当てることができそうな段階に達した。2月にはふたたび慶應大学でレカ・ツィオミ(パリ第10大学教授)の「『百科全書』メタデータ抽出企画をめぐって」と題する研究会を行い、東西の啓蒙研究を次年度に継続して行う強固な足がかりを構築することができた。
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Research Products
(6 results)