2007 Fiscal Year Annual Research Report
啓蒙と東アジア:相互性のプリズムを通じた18世紀学の構築
Project/Area Number |
18320025
|
Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 博巳 Kinjo Gakuin University, 文学部, 教授 (70109833)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲見 洋一 中部大学, 人文学部, 教授 (20051675)
渡辺 浩 東京大学, 法学研究科, 教授 (10009821)
安藤 隆穂 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (00126830)
長尾 伸一 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (30207980)
寺田 元一 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (90188681)
|
Keywords | 18世紀啓蒙 / 18世紀東アジア / 百科全書 / 文芸共和国 / 国際研究者交流 / 中国:韓国:露:仏 |
Research Abstract |
今年度は7月にモンペリエで開かれた国際18世紀学会に、韓国18世紀学会と共催でラウンドテーブル「東アジアと啓蒙」のテーマのもと、本研究会から長尾・高橋がそれぞれ司会と発表を行い、東アジアに文芸共和国の可能性を探る試みを披露した。今回はヨーロッパからの参加者の関心も引き、引き続き研究成果を発信していく必要性を痛感した。またメンバーの鷲見・寺田・逸見の各氏も百科全書ほかのテーマで発表を行い、とりわけ鷲見氏は「百科全書メタデータの重要性」ラウンドテーブルを主宰したばかりでなく、地元の放送局の催しにロバート・ダーントン氏とともに出演、学究の域を越えた活躍が特筆される(詳細は「日本18世紀学会・学会ニュース」第56号、2008年1月所収の同氏のレポートを参照)。 このメインイベントをはさんで、5月13日には、名古屋大学を会場に、ロシア科学アカデミー世界史研究所教授、セルゲイ・カルプ氏(Serguei Karp)を招き、「フランコ・ヴェンチューリにおけるヨーロッパとロシアの18世紀」のタイトルで研究会を行った。カルプ博士の発表は、F.ヴェントゥーリの18世紀啓蒙研究の特徴を、ヨーロッパ全域にわたる思想の伝播とさまざまな反応の過程を克明に実証することを通して、啓蒙のコスモポリタニズムの有り様を明示するとともに、こうしたヴェントゥーリの方法を今日の啓蒙研究が継承していく必要があることをも強調して示唆的だった。 10月28日には同じく名古屋大学で、深沢・高山編『信仰と他者 寛容と不寛容のヨーロッパ宗教社会史』2006年の合評会を、同書に「イングランド国教会はカトリックである-17・18世紀のプロテスタント・インタナショナルと寛容問題」を寄稿された西川杉子氏(東京大学)ならびにコメンテーターとして福田名津子氏(一橋大学)を招聘して開催した。
|
Research Products
(7 results)