2008 Fiscal Year Annual Research Report
啓蒙と東アジア:相互性のプリズムを通じた18世紀学の構築
Project/Area Number |
18320025
|
Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 博巳 Kinjo Gakuin University, 文学部, 教授 (70109833)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲見 洋一 中部大学, 人文学部, 教授 (20051675)
渡辺 浩 東京大学, 法学研究科, 教授 (10009821)
安藤 隆穂 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (00126830)
長尾 伸一 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (30207980)
寺田 元一 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (90188681)
|
Keywords | 思想史 / 西洋史 / 哲学 / 中国哲学 / 日本史 / 中国文学 / 仏文学 / 経済史 |
Research Abstract |
本年度の研究会は、5月29日に発表者に宇野重規氏(東大)を迎え、安藤隆穂著『フランス自由主義の成立』の書評会で活動を始めたが、同書はこの年の学士院賞を受賞したことが特筆される。 続いて7月7日には、フランスよりPoirier氏を招いて「百科全書」とラヴォワゼの化学革命の関係について討議した。 9月23日には、中・韓両国から研究者を招き、東西の百科全書的知識の比較を行った。中国からは北京の外交研究所准教授のYun Long氏が「中国の百科全書的知識とフランス人宣教師」について、韓国から漢陽大学校教授の鄭〓氏が「18世紀朝鮮知識人と百科全書的知識」について、とくに了茶山を中心に論じ、それに研究分担者の鷲見洋一氏が「知識の長い道:西ヨーロッパから日本まで」と題する規模雄大な発表を行い、逸見龍生氏の「<検討>概念の生成と構造一哲学的地下文書『宗教の検討』をめぐって」と題して発表し、いずれも短時間では論じ尽くしがたい問題群で、論議は懇親会にまで持ち越された。こうして個別に東アジアと啓蒙の問題の解明を深化させてきたが、今後は相互の関わりがどのように展開されるか、その可能性を見極めてゆきたい。 なお今年度の日本18世紀学会大会が大分大学で開催されたのにちなみ、小特集「耶馬溪」変奏曲を、地元の大分県芸術会館の古賀道夫氏と、帆足杏雨の<耶馬溪図巻>の大作を所蔵する韓国中央博物館の宣承慧さんに発表を依頼し、日韓協力して耶馬溪に係わる作品群の魅力を解明することができたことを付記する。 さらに高橋は、10月にパリとライデンで、それぞれ国際研究集会に出席し、日欧比較および西洋文化摂取の発表と意見交換を行った。11月にはソウル漢陽大学校韓国学研究所で東アジア文芸共和国について報告した。09年2月、パリ・ライデン両報告を総合するかたちで国際日本文化研究センターの「18世紀日本の文化状況と国際環境」の研究会で報告した。
|
Research Products
(25 results)