2006 Fiscal Year Annual Research Report
明治期における音楽録音資料・蝋管(ろうかん)の保存体制と公開手法の研究
Project/Area Number |
18320029
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
竹内 順一 Tokyo National University of Fine Arts and Music, 美術学部, 教授 (10301821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 政満 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (50135183)
横溝 廣子 東京芸術大学, 大学美術館, 准教授 (90205229)
薩摩 雅登 東京芸術大学, 大学美術館, 教授 (80272657)
古田 亮 東京芸術大学, 大学美術館, 准教授 (20259998)
佐藤 真実子 東京芸術大学, 大学美術館, 学芸研究員 (00401498)
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Keywords | 博物館学 / 音源 / 細菌除去 / 作品保存 / 情報公開 / 蝋管 / 蓄音機 / 録音技術 |
Research Abstract |
1 蝋管の保存体制に関して (1)東京芸術大学大学美術館所蔵の蝋管212本に対して、写真撮影および計測(高さ、外径、内径、蝋管に刻まれている溝の幅、重量)を行い、各蝋管の基礎データを整理するとともに、カビの状態も確認した。また、収蔵庫内の温湿度を測定して、保管環境の現状を把握し今後の作業場所および新たな保管場所のために方針を立て、最適な輸送方法を検討した。 (2)(1)で検討した方法に基づき、蝋管の材質測定、カビの同定、蝋管の洗浄、殺菌、木製棚の燻蒸を行うために、蝋管212本と蝋管を収納していた木製棚を元興寺文化財研究所へ移送し、蝋管の洗浄、殺菌などの作業を行った。また同研究所の保存科学研究室において、蝋管の破片をもとに実験を行い、洗浄に適した薬品を選定した。 2 蝋管の基礎調査に関して (1)国内所蔵館および個人所蔵者に対して、アンケート[蝋管の状態(大きさ、重量、外見の装飾、形式、材質、虫菌被害、修復記録など)、保管環境(保管場所の温度、湿度、収蔵施設の材質、防虫・防菌対策など)、収録内容、収録年月日、収録場所、演奏者(出演者)、収録者、蝋管蓄音機(再生機器)に関する情報、収録内容のデジタル化の有無、公開の記録の有無]を行い、各項目の集計を行い、国内の蝋管に関する傾向を概括した。 (2)アンケートの結果をもとに、蝋管所蔵施設に対する実地調査を行い、蝋管の状態や保管環境、収録内容、再生用蓄音機の調査及び修復に関する情報を収集した。調査先は、以下の通り。音響学研究所(国立市)、新冠レ・コード館(新冠町)、北海道大学総合博物館(札幌市)、札幌市青少年科学館2階特別展示室(札幌市)、石川県立歴史博物館(金沢市)、金沢蓄音機館(金沢市)、大阪芸術大学(南河内郡)、大阪歴史博物館(大阪市)、大谷大学(京都市)、民族学博物館(吹田市).
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