2008 Fiscal Year Annual Research Report
15世紀を中心としたイスラーム世界における書画芸術の動向
Project/Area Number |
18320036
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
ヤマンラール水野 美 Ryukoku University, 国際文化学部, 教授 (50279098)
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Keywords | サライ・アルバム / ムラッカア / イスラーム絵画 / イスラーム書道 / 白羊朝 / 画論 / 東西交流史 / ティームール朝美術 |
Research Abstract |
1) 「上申書」(サライ・アルバムH.2153 fol.98a、原文ペルシア語)の和訳を行うため、前半期はサライ・アルバム小研究会を行い、成果を『龍谷紀要』第30巻2号に掲載した。本上申書はティームール朝バーイソンゴルの宮廷工房の動向を記録したものでイスラーム美術史上極めて重要な文書であり、トルコ語訳、英訳などがあるが、不明な用語がかなり残されていた。本翻訳はそれらを解明したものとして評価される。その成果は21年8月トルコで開催予定のサライ・アルバム・シンポジウムでも発表予定である。 2) トルコ出張では研究調査と21年8月のシンポジウム開催の準備を行った。 3) 後半期は、16世紀の画論の比較研究を行い、絵画用語の分析を行った。この研究は将来総合的用語集に繋げていくが、そのごく一部を教学的観点から『芸術・メディアのカルチュラル・スタディーズ』(共著、ミネルヴァ、21年6月出版予定)に掲載する。 4) 本研究の研究協力者である関喜房(東海大学)は、サライ・アルバムの約1400点に及ぶ書の研究を進め、索引作成、アルバムの構成などで成果を上げ、イランで投稿を続けたが、それらの論文が高く評価され、写本研究誌として最も権威があるイラン議会図書館刊行の'Na meh-ye Baha resta n'の編集者に選出された。 5) 第22回サライ・アルバム研究会の開催とともに、本年度は最終年度であったので、21年3月26日にサライ・アルバム国際ワークショップを開催した。アメリカのアルバム(ムラッカア)研究の拠点であるハーヴァード大学のG.ネジプオウル、M.カファダル両教授を迎え、日本におけるアルバム研究の成果を公開し、高い評価を得た。
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Research Products
(3 results)